2015.04.25 FUJIFILM

XF16mmの世界 -Get in close

百聞は一見に如かず、という言葉がある。
ことレンズの描写ということに関して言うと、これは非常に”然り”である。

XF16mmF1.4 R WRの、key FeatureのひとつにMOD15cmというものがある。いわゆる換算24mmの画角で、15cmまで”寄れる”レンズというのは非常に少ない。しかし、20cmや25cmまで”寄れる”レンズというのは結構ある。

”なんだ、たったの5cmか?”とか、
”自分の持ってるレンズと10cmしか変わらないなら大差無いだろう?”
そう思う向きも少なくはないだろう。

だが、それこそまさに”seeing”が無いがゆえの早合点だ。近接域の5cmとか10cm、そしてPerspectiveの強い広角レンズでのこの違いは大きい。ダイナミックな構図が得られる、そして同時にF1.4という明るさを活かした美しいボケ味が楽
しめる。

寄れば寄るほど、遠近感は強調されていく。
そして寄れば寄るほど、背景ボケは豊かになっていくのだ。

つまり、”広角だからダイナック、しかも広角なのにボケる”という極めて独特の描写になるのだ。
しかし、ついつい”寄り”すぎて、レンズフードを被写体にブツけてしまわないように注意しよう。

MOD15cmとは、センサー面から物体までの距離が15cm。実際には、レンズの全長約7cmと、フランジバック約2cmが間に入るので、レンズ前面からは、わずかに6cmの距離なのだから。