FUJIFILM X-S20と共に世界へ
新しいFUJIFILM X-S20は魅力に溢れています。
この記事は詳細なレビューではありませんが、このカメラについて、旅行写真家の観点から私の考えと経験を紹介します。私は国内外の旅行キャンペーンを数多く撮影してきましたが、その中でもこのカメラは、私が必要としているものを満たしたカメラだと思います。
簡単に言うと、このカメラは「どこにでも持って行きたくなるカメラ」です。
旅の計画
富士フイルムからX-S20で写真を撮らないかと連絡があったとき、私はそのカメラの限界を超えるために写真撮影ロードトリップをしなければならないと直感しました。フィリピンの北部に6日間滞在し、このカメラで風景、人物、その他あらゆるものを撮影しました。
東のアウロラ州の日の出から始まり、サンティアゴ、バナウエ、サガダ、セルバンテスを経て、最後は西のラ・ユニオンで夕日を撮るという計画でした。これは、長年母国を旅しているうちにやりたいと思っていたシンプルで楽しいアイデアで、今回のプロジェクトはまさにその構想を実行するのに最適なタイミングでした。
肉体的にも創造的にも過酷な旅に備えて、より多く撮影できるように、持ち物を少なくすることが肝心でした。X-S20は、軽量でコンパクトなボディでありながら、優れたバッテリー寿命、素早いAF、そしてRAWや各種フィルムシミュレーションを使用しても、申し分ない画質を誇っているので、まさにうってつけのカメラでした。
主要なインサイト
映像
私のプロジェクトは写真機能に重点を置いていますが、このカメラは6.2k 30p、4k 60pフォーマット、4:2:2 10bit内部記録などの高度なビデオ機能を備えていることも見逃せません。さらに、このカメラには専用のVlogモードがあり、フル可動式スクリーンとの相性も抜群です。
7段分のボディ内手ブレ補正機構(IBIS)は、そのすべてを見事に包み込んでくれます。私がこのカメラに夢中なのは明らかですが、強いていうならば、液晶画面は、特に明るい場所や日差しの強い場所での撮影時にもう少し明るくなるといいと思います。
使用感
X-S20のおかげで、風景を撮影しながらのハイキングがぐっとしやすくなりました。サガダやバタッドの山中で小型なカメラを持ち歩くことは、三脚やバッグのサイズを縮小することにもつながり、どこにでも持ち運べるセットアップとなりました。また、このカメラの深いグリップのおかげで、より快適に撮影することができました。コンパクトに設計されたカメラには特に大きな利点です。
さらに、このカメラに搭載されているIBISは、遅いシャッタースピードでシャープな写真を撮りたい時にも、手持ち撮影を選択肢の一つとしてくれます。私自身もこの方法で風景を撮影するのが好きですし、フル可動式スクリーンは、より自由に、ユニークなアングルを見つけ出すことを可能にしてくれます。
オートフォーカス
ポートレートの撮影では、X-S20のAFシステムの大幅な改良が功を奏し、目や被写体を瞬時に検出し、暗い場所でも被写体を正確に捉えることができます。セルバンテスの畑で農民を撮影していると、さまざまな環境、光の条件に遭遇しました。
そのような一瞬の出会いの場でも、確実にAFが作動することで、お互いの信頼関係を築く時間が増え、素早く、かつ慎重に撮影することができるようになりました。画質はX-T4にも搭載されているX-Trans CMOS4センサーを採用しているので、全体的に完成度が高いですね。X-S20は、まるでX-T4の弟のような存在です。
電池寿命
X-S20は、X-T4と同様にNP-W235バッテリーを採用し、最大約730コマの撮影が可能で、前モデルであるX-S10の約2倍のバッテリー寿命を実現しています。この電池の持ちの良さは、特にイサベラ州サンティアゴへの旅の終盤で実感しました。
実は前日、丸一日撮影した後にバッテリーを充電するのを忘れてしまったのですが、その日のうちに膨大な写真撮影を行うことができました。専門的なことは抜きにして、このバッテリーはとても優秀で、内部システムも消費電力を抑えるように最適化されています。最高です!
おわりに
まとめると、X-S20は旅撮影という私のスタイルに非常によく合っていると思いました。このカメラのスペックは、単なる紙上での飾りではありません。コンパクトなボディに効率的な内部システムを搭載しているからこそ、撮影に集中できるのだと感じました。
機材は、写真を撮るというクリエイティブなプロセスから我々を遠ざけてしまうのではなく、照明や被写体、感情、構図に集中できるものであるべきです。バッテリーの寿命や機材の携帯性、カメラのフォーカス能力などを気にする必要がなければ、より多くの写真を撮影し、クリエイティブを次のレベルへと引き上げることができるのです。