2015.09.02 FUJIFILM

One lens one story #6

One lens one story, のはずだったが、もうひとつXF27mmF2.8で紹介したいことがある。今日は、One lens the another storyだ。
光学設計上、無理をしなくて済む設計には必要な条件がある。それは、光学の後部分にも最適な大きさのレンズを配置するための自由度である。
XF14mmの頁の繰り返しになるが、ミラーボックスが無く、17.7mmという薄いフランジバック、そしてマウント開口部が広い、Xマウントのこの3つの特徴が、XF27mmF2.8を実現せしめている。
正直、交換式システム用のレンズで、こういったレンズを設計するのは難しいが、実はFUJIFILMには、これの下敷きになったレンズがあるのだ。それはX100である。

X100は、ボディ一体型のレンズで、マウントにレンズレイアウトを制約されない。レンズ構成図を見るとわかるが、センサーのギリギリ前までレンズエレメントが配置されている。そして、最後のレンズの径も非常に大きい物が採用されている。
レンズの枚数こそ、X100は6群8枚、XF27mmは5群7枚と異なっているが、その構造は非常に近しいものだということが分かるだろう。
“コンパクトカメラで培われた技術・経験が、レンズ交換式カメラへと応用されています”と言っても、なかなか信じてもらえないことがある。でも、X100が無ければ、XF27mmF2.8は生まれなかった。これは事実である。

エピソード7を続けて読む:
One lens one story – エピソード7: XF56mmF1.2 R 前編