2015.08.28 FUJIFILM

One lens one story #5

Xマウントで採用されているセンサーのサイズは、23.5mmx15.6mm。さて、対角の長さは何mmだろうか?約28.4mmである。
三角関数を使わなくとも、APSフォーマット用のMTF線図の横軸は、像高14.2mmまで目盛があることを思い出してもらっても良い。中心から半径14.2mmつまり直径28.4mmのイメージサークルをカバーしているわけだ。
さて、本題はXF27mmF2.8だ。Xマウントレンズで最も小さく軽量なレンズ。このレンズは、そのパッケージサイズの大きさを再重視して設計された。では、画質や光学性能は諦めて設計されたのだろうか?
答えはNOだ。XF27mmF2.8が、絞りリングを備えてなくとも”XF”の名を冠している理由はそこにある。
冗長な説明は省略するが、イメージサークルの直径とレンズの焦点距離は近い程、レンズは設計しやすい。つまり無理なく小さなレンズを作れるということだ。逆に言うと、これよりも長い焦点距離のレンズも、短い焦点距離のレンズも、大きくなっていく。
そう、つまりXF27mmはなるべくしたなったサイズなのだ。画質とサイズを両立させるために、27mmという焦点距離が選ばれたとも言えるかもしれない。
Xマウントで最も売れている単焦点レンズはどれか?言わずもがなのNo.1はXF35mmF1.4 Rであるが、2番目のポジションにつけているのが、実はXF27mmF2.8だ。
軽量性・機動性を重視するSnap Shooterが多いというXマウントユーザーの特徴がよく出ているように思われるが、その前提条件にあるのは、このレンズを使っても画質を諦めずに済むということだろう。

エピソード6を続けて読む:
One lens one story – エピソード6: XF27mmF2.8 後編