2023.10.17

GFX100II : Automobile x Oskar Bakke

完璧を目指して: GFX100 IIとの歩み

名はOskar Bakke。スウェーデン出身で、今はロサンゼルスの太陽の光を浴びている写真家だ。専門分野?自動車とライフスタイルの商用写真だ。ポルシェ、ベントレー、ケーニグセグ、メルセデスベンツといった大手自動車ブランドと一緒に仕事をする機会に恵まれた。信じられないような道程だった。

私の写真に対する愛情は、ゲレンデで芽生えた。スキーこそが初めての情熱であり、カメラを手にするきっかけとなった。ところが、私の創造性に火をつけ、評価を得たのはクルマの世界だった。クルマ文化にどっぷり浸かり、最高級の自動車に出会い、刺激的な人々とコラボレーションできるなんて、まさに夢のようだった。

雪について話そう。その美しさには紛れもない魅惑がある。当初の計画では、スキーへの情熱とこのGFX撮影を融合させるつもりだった。しかし、母なる自然は異なる計画を立てた。異常気象が山を封鎖したのだ。けれどもよく言われるように、必然が革新を生むのだ。

Aston Martin社は、今回の撮影のためにエンジニアリングの最高峰である世界最強のSUV、DBX 707を快く貸してくれた。私たちは荷物をまとめて北のマンモス・マウンテンに向かった。記録的な降雪に迎えられ、吹き荒れる冬の王国へと足を踏み入れた。

GFX システムは私にとって、数え切れないほどの写真撮影やキャンペーンをこなしてきた頼もしい相棒だ。GFXが登場する前までは、中判カメラは三脚に縛られ、時間がかかり、手間のかかるものだった。中判独特の品質と美学のためには犠牲が必要だったが、初代GFXはそのような制約から解放してくれる新しい時代だった。そして今、富士フイルムはGFX 100 IIで次のレベルに到達した。限界に挑戦し、可能性を追求する時が来たのだ。

GFX100 IIを手に取ると、その作りの良さと頑丈さに衝撃を受けた。試し撮りのために目の前に掲げると、ファインダーの巨大さに驚かされた!ファインダーの大きさを表現するのは難しいが、まるで虫眼鏡を通して世界を見るような鮮明さだ。視野が広がることでディテールが浮かび上がり、フレーミングが直感的になり、写真を撮ることがアートに進化する。

翌日は晴天に恵まれ、私たちは撮影に意欲を燃やした。まずはローリング撮影から。ここで重要なのは、シャッタースピードを長めにして、撮影車両と同じペースで動くことだ。こうすることで背景のモーションブラーを出しつつ、車をシャープに見せることができる。背景をよりぼかすにはシャッタースピードを長くするのだが、ここでは安定性が勝負となる。場合によってはジャイロやジンバル、カーボンファイバー製のアームを取り付けて、シャッタースピードの自由度を高めたりもする。

この日、私はピックアップトラックからぶら下がり、体幹とカメラ内蔵の手ブレ補正機能IBISを頼りに撮影した。時速70kmの安定した速度を維持し、10fpsのバーストモードを使用し、車輪の動きと背景を少しぼかすのに十分な慎重な1/100秒のシャッタースピードでスタートした。信じられないことに、1/50秒や1/25秒のシャッタースピードでもすべてが鮮明に写った。1/10秒でも撮影したが、手持ち撮影としては十分な結果だった。

静止画の撮影に移ったときは、モデルを起用して彼らに命を与えることができて嬉しかった。私は引き金ばかり押してしまうから、アナログは苦手なんだ。ローリングショットセッションでも、今回の撮影でも、常に写真を撮り続けていた。何百枚もフルバーストでシャッターを切るなんて、もうバッファーなんてものは存在しないのだろうか?

信じてくれ、この数日間でカメラは全てを経験した。異常気象、冷え込み、大雪 GFX100 IIは生き延びただけでなく、大活躍した。これは完璧を追い求める私の姿勢と完全に一致する。常に究極の一枚を追い求めるが、GFX100 IIはそのパートナーとして心強い存在だ。

つまり、そういうことだ。GFX100 IIは単なるカメラではなく、クリエイティブな自由を体現している。イマジネーションの未知の領域への旅立ちを可能にするパスポートなのだ。私は興奮の波に揺られながら、GFX 100IIがこの飽くなき完璧を求めて旅に出る瞬間をとらえる準備はできている。