2023.10.19

GF30mmF5.6 T/S: Architecture x Massimo Listri

私たちは富士フイルムの新しいGF30mmティルトシフトレンズのフィールドテストを、国際的に有名な建築とインテリアの写真家、Massimo Listri氏に託すことができた。新しいレンズと数週間を過ごした後、フィレンツェの写真家がその印象を報告してくれた。

GFX100 & GF30mmF5.6 T/S

「GF30mmティルトシフトレンズには驚かされた!富士フイルムのGFXカメラを使っているが、完璧な内観写真や建築写真を撮影できるレンズはまさに待ち望んでいたものだった。レンズを最初にテストしたときから、その品質の高さを実感できた。本当によくできていると思う。Fujifilm GF30mmティルトシフトレンズは頑丈で、動きが非常にスムーズで、チルトダイヤルとシフトダイヤルの位置をロックすることができる。この機能は時には数分にも及ぶ長時間露光の際、画質を損なう可能性のある不用意な動きを避けるために本当に便利だと感じた。エレガントで現代的なデザインも気に入っている!

GF30mm T/Sレンズを数週間にわたってさまざまな場所で試し、すぐに気づいたのはこのレンズが提供できる広範囲なシフト動作だ。私にとって30mmというエクスカージョンは大きな可能性を意味するものである。正直に言うと、レンズのシフト動作を使い切る必要はなく、いつも先に止まっていた。さらに、30mmという焦点距離は広すぎず、長すぎず、様々な状況で快適に仕事をすることができないちょうど良い長さだと言わざるを得ない。快適さと言えば、このレンズのポテンシャルを考えると、重量と嵩はコンパクトで、小さなバッグと三脚があれば、必要なもの全てを持ち運んで旅行することができる。

GF30mm T/Sレンズのおかげで、どこにでもビューカメラを持ち歩いていた昔に戻ったような興奮、意欲、写真を撮る情熱を取り戻した。このレンズが存在する今、私は間違いなく過去に行った多くの場所に再び撮影に訪れ、待ち望んでいたパーフェクトな仕上がりを得ることができるだろう。

シフトレンズで撮影して得られる結果は、どんなポストプロダクションテクニックでも到達できないものだと思う。加えて、既にすべての線が補正された画像を見ることができるのはより便利で実用的だ。正しい遠近感のある画像を即座に確認できることは素晴らしく、前述したように、シフトレンズで撮影した写真の深み、線の正確さ、エレガントさを再現することができないポストプロダクション作業を待つ必要はない。個人的には、構図を徹底的にこだわるのが好きなのだが、このレンズのおかげで、カメラで仕上がりを確認しながら構図を決めることができるのだ。

GF30mmティルトシフトレンズが私にとって今後必携のレンズであることを最終的に証明したのは、RAWファイルをパソコンに取り込んだ時だった。あらゆる撮影条件においても極めて切れ味が良いことが分かった。中心部でも周辺部でも、シフト量に関係なく非常にシャープなレンズだ。私が撮影した画像ではケラレの存在に気づいたことは一度もなく、かすかな光がシーンに横から入ってきたとしても、付属のネジ式の金属製レンズフードによってブロックされていたので問題なかった。

素晴らしい出来栄えだ!

これからは、GF30mティルトシフトレンズなしで撮影することはあり得ないだろう。