新型ミラーレスデジタル中判カメラ、FUJIFILM GFX100 IIのフィールドテストを依頼され他時、私はいささか興奮し、カメラの到着を心待ちにしていた。
開封して早々、カメラの見事な仕上がりと頑丈な作りに感嘆せずにはいられなかった。手に持った感覚も素晴らしく、美しいデザインにふさわしいバッテリーパックが付属していた。絶えず変化する天候の中で野生動物を撮影する私には、防塵防滴機構を搭載したボディであることがとてもありがたい。
GFX100 II & GF250mmF4 R LM OIS WR
GFX100 IIを使った撮影では、富士フイルムの単焦点GF 250mm F4 LM OIS WRと富士フイルムのテレコンバーターGF 1.4X TC WRを組み合わせた。このカメラの解像度が10200万画素であることを知り、トリミングで微調整ができることを嬉しく思った。
自分好みにカスタマイズできるこのカメラのボタンレイアウトは、とても使いやすいと感じた。撮影中も迷うことなく素早くボタンの位置を把握し、操作することができた。このカメラには様々なボタンがあるが、中でも撮影中にアクセスしやすく、直感的に使えるシャッターボタンとISOボタンの配置を気に入っている。
メニューには幅広いオプションが用意されており、個々のニーズに合わせて簡単にカスタマイズできる。また、メカニカルシャッターと電子シャッターを使用した秒間8コマの撮影などの様々な画質設定が可能だ。
GFX100 II & GF250mmF4 R LM OIS WR
このカメラには、高速10200万画素の大判BSI CMOSセンサーとXプロセッサー5が搭載されている。加えて、ESモードでは6080万画素も選択できる。今回のフィールドテストで特に印象的だったのは8コマ/秒の高速撮影機能だ。ヒガシミサゴが突然水中に飛び込んだ際も、様々なバリエーションの中から写真を選ぶことができたうえ、ブーストと高速フレームレートの恩恵により、翼を上向きに構えた完璧なショットを撮影することができた。
オートフォーカスシステムは優秀で、幅広いAF設定から選ぶことができる。野生動物にピントを合わせるときは、AF設定を微調整した。AFモードには、シングル、ゾーン、ワイドトラッキング、オールなど様々な選択肢がある。野生動物にはゾーンを選んだ。AF-Cカスタム設定では、更に6つのカスタマイズ可能なオプションがあり、私は障害物を無視して被写体を追尾し続ける2番目のオプションを選んだ。AF-Cカスタム設定には、追従感度、スピード追従感度、ゾーンエリア切り替えオプションもある。
GFX100 II & GF250mmF4 R LM OIS WR
写真の被写体を選ぶ際の選択肢がさらに広がった。動物、鳥、自動車、バイク、自転車、飛行機、電車から選ぶことができる。また、被写体追跡を完全に無効にすることもできる。私は鳥と動物を選んだ。飛んでいる鳥を撮影したときのトラッキングの正確性に感動した。生成された画像はシャープで細部まで描写されており、見事な写真を撮ることができた。
顔/瞳検出を使用する場合、左目か右目のどちらかを選択するオプションがある。この機能はカンガルーなどの動物を扱うときに特に有用である。
GFX100 II & GF250mmF4 R LM OIS WR
8段分のボディ内手ブレ補正（IBIS）は、手持ち撮影に極めて便利な機能であることが証明された。低照度条件下で低速シャッターを使用できるため、高ISOで撮影した場合でもノイズを最小限に抑えた高品質の画像を撮影することができた。しかもダイナミックレンジが30％改善されたことで、全体の画質がさらに向上した。早朝の光の中で美しいピンクと桃の色調を活かした美しい画像を撮影した。
改善された16bitのRAW画質ファイルによって向上した画質に感銘を受けた。ただし、この記事を書いている時点では、編集ソフトはまだ最新のカメラRAWフォーマットにアップデートされていないことを記しておかなければならない。Rawファイルが利用できるようになるのが待ち遠しい。JPEG画像は素晴らしく、ディテールと色彩が際立っていた。10200万画素の大容量ファイルを拡大すると、細部まで鮮明で驚かされた。より小さなファイルが欲しければ6080万画素でも撮影できる。優れた照明条件下で撮影すると写真のクオリティが際立ち、細部のディテールも実に見事であることが確認できた。
GFX100 II & GF250mmF4 R LM OIS WR
短いムービークリップを撮影することが好きな私にとって、ボタンを押すだけでムービーモードに切り替えることができるのはとても便利だった。ファインダー越しに被写体を確認し、シャッターボタンを押すだけで録画を開始できるなんて最高だ。普段はおもしろい瞬間を待ってから録画を始めるため、この機能は特に役立った。低光量で撮影した動画のクオリティには本当に驚かされた。見事な色彩だ。
このカメラの使用感は素晴らしいの一言に尽きる。人間工学に基づいた快適なデザインで、持ちやすく操作しやすかった。ボタンは最適な位置に配置されており、完璧なショットを撮ることに集中できた。前モデルのGFX100と比較すると、このカメラはかなり改良されており、特にAFフォーカス、トラッキング、バースト撮影の機能が向上している。これらの機能は特に野生動物の撮影に適している。野生動物の撮影に合わせたAF設定をカスタマイズできて便利だと感じた。
鳥の画像は緻密で、入り組んだ羽の模様を美しく表現していた。卓越した画質は10200万画素によるものであり、特に難易度の高い野生動物の撮影において威力を発揮した。
GFX100 II & GF250mmF4 R LM OIS WR