2023.07.05

X-S20: トラベル x 七咲友梨

今回の旅先は宮崎県。ずっと家を訪ねたかったマリーズの暮らす場所です。彼⼥はヨガや音楽を愛し、野草を摘んで バームをつくったり、暮らしを工夫する達人。写真を通して彼⼥の日々を見つめるためX-S20を持って出掛けました。わたしの旅はいつも訪ねる人を一人か二人だけ決め、それ以外の予定はできるだけ⼊れません。旅の流れに任せてスナップしながらその土地を回ります。

X-S20 & XF33mmF1.4 R LM WR F2.5 1/640 クラシッククローム

  • FUJIFILM X-S20 & XF30mmF2.8 R LM WR Macro F8.0 1/4000 クラシッククローム

  • FUJIFILM X-S20 & XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ F13.0 1/125 PROVIA

  • FUJIFILM X-S20 & XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ F5.6 1/50 クラシッククローム

  • FUJIFILM X-S20 & XF30mmF2.8 R LM WR Macro F4.0 1/2000 クラシッククローム

予定のない旅には、予想外のことが⼊り込んできます。出会いに身を任せ想像しなかった出来事にオープンでいるに は、気持ちも荷物も身軽でいたいもの。そんな旅には気負わず持ち歩けるX-S20はぴったりのカメラだと感じます。ボディも小さいし、レンズもコンパクトなものが揃っています。偶然を探して、どんどん歩きたくなります。

  • FUJIFILM X-S20 & XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ F5.6 1/2000 ノスタルジックネガ

  • FUJIFILM X-S20 & XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ F13 1/125 PROVIA

  • FUJIFILM X-S20 & XF30mmF2.8 R LM WR Macro F5.6 1/1600 PROVIA

  • FUJIFILM X-S20 & XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ F3.5 1/400 PROVIA

わたしはよくカメラを持って旅をします。各地を訪ね写真を撮る中で感じるのは、人の営みが土地の景色をつくっているということ。庭や畑を手⼊れし、道具を扱い、暮らしの場所を整えていく。人が行き来した場所は道になる。時を超えて積み重ねてきた営みが、目の前の⾵景を生み出している。そうした美しさを発見し記録することが、写真にはできると感じます。

  • FUJIFILM X-S20 & XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ F5.6 1/320 クラシッククローム

  • FUJIFILM X-S20 & XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ F5.6 1/640 PROVIA

  • FUJIFILM X-S20 & XF30mmF2.8 R LM WR Macro F5.6 1/1600 PROVIA

  • FUJIFILM X-S20 & XF30mmF2.8 R LM WR Macro F2.8 1/1600 クラシッククローム

宮崎はおおらかな場所でした。佐渡原人形という江戶時代から続く郷土玩具の工房を訪ねたら、人形の顔も職人さんの人柄もおおらかで力が抜けていて、宮崎の印象そのまま。暖かな気候の中のびのびと暮らしてきたんだな。宮崎の手仕事には、宮崎の顔が写っています。

  • FUJIFILM X-S20 & XF30mmF2.8 R LM WR Macro F5.0 1/800 PROVIA

  • FUJIFILM X-S20 & XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro F2.8 1/240 PROVIA

レンズで視点が変わることも撮影の楽しさです。例えばマクロレンズXF80mmは、肉眼では捉えられない微細な造形を掴み、細部から生まれる気配のようなものを可視化してくれます。単焦点のXF30mmやXF33mmは自然な視野で捉える事ができ、対象の環境や⾵景を一緒に写すことも、一歩深く踏み込んで向き合うこともできる。その距離感を感じながら撮るのが面白いレンズです。Xシリーズのレンズは小ぶりで何本か持ち歩いても苦にならないので、レンズ交換しながら視点を変えて発見を楽しめます。

  • FUJIFILM X-S20 & XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro F5.0 1/4000 クラシッククローム

  • FUJIFILM X-S20 & XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro F5.6 1/80 ASTIA

  • FUJIFILM X-S20 & XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro F20.0 1/160 PRONeg.Hi

  • FUJIFILM X-S20 & XF33mmF1.4 R LM WR F2.8 1/4000 ノスタルジックネガ

壮大な⾵景の中で過ごすのも好きな時間です。夜明け前に宿を出て、野生馬たちが暮らす岬へ向かいました。刻々と色を変える空の下、夜明けの光を受けた馬たちは素晴らしかった。スケールの大きな自然の中にひとり身を置くと、自分のちっぽけさを感じて謙虚になれます。それはどこか落ち着かなさをはらみますが、怖さに似たその感覚は、美しさと近い場所にあると感じます。

その時々の感覚を写し込むには、瞬間的なカメラ操作も重要です。X-S20のフィルムシミュレーションはダイヤルで簡単に操作できて、色や質感をストレスなく直感的に選べます。完成形を見ながら撮影できるので、RAW現像する必要もなくjpgで撮影していきます。

FUJIFILM X-S20 & XF18-120mmF4 LM PZ WR F13.0 1/200 Velvia

  • FUJIFILM X-S20 & XF18-120mmF4 LM PZ WR F13.0 1/180 Velvia

  • FUJIFILM X-S20 & XF18-120mmF4 LM PZ WR F13.0 1/200 Velvia

FUJIFILM X-S20 & XF18-120mmF4 LM PZ WR F13.0 1/180 Velvia

わたしはラージフォーマットカメラのGFX50Sも使っていますが、FUJIFILMのフィルムシミュレーションのおかげで共通した色彩感覚で撮影でき、2台の組み合わせで撮影するのもいいと思いました。腰を据えたラージフォーマットカメ ラの撮影はもちろん素晴らしいのですが、気軽な旅や、体験し発見を楽しむ時間にはコンパクトなX-S20がぴったりで す。

そう、カメラを持つと発見しようという感覚が働きます。人や場所を訪ね、わざわざ撮りに行くことは、この世界を深く味わう行為。カメラは旅のきっかけにもなるし、旅そのものをより深く色濃い体験にしてくれます。コンパクトで、直感的にその場の感覚をカメラにおさめていけるX-S20は、旅にとてもよく似合うカメラだと思います。