2023.07.05

X-S20: Action x Carolin Thiergart

ダンスとサーカスの写真家として活動しているCarolin Thiergartと申します。ダンスフォトと出会ったのは、私自身が10年間バレエを続けていたことがきっかけです。もともとはポートレート写真を始めたのですが、次第にダンス写真の世界に魅了されていきました。

FUJIFILM X-S20 & XF35mmF2 R WR

バレエでは、野心的で、時には完璧主義なアーティストと仕事をすることがあります。そのような方と良い作品を撮るのは、時として難しい面もあります。というのは、カメラマンだけでなく、被写体である自分に、あるいはイメージ素材に自分なりの要求を持っているからです。そして同時に、ダンサーとしても、自分のダンステクニックを上手く見せたいという思いがあります。

その際にカメラが私をサポートできるのであれば、特に助かります。FUJIFILM X-S20は、ダンスフォトグラファーである私にとって大切な機能をすべて備えているカメラです。

FUJIFILM X-S20 & XF35mmF2 R WR

新しいことに挑戦し、即興でダンサーのアイデアを取り入れるのが好きです。私にとってカメラは、クリエイティブな夢想に気づかせてもらえるありがたい存在です。そして、そのツールが柔軟であればあるほど、撮影の幅も広がります。写真とは、他のアーティストとの創造的な交流がすべてですから、あまりテクニックにこだわらないように心がけています。

X-S20を使ったダンスアクションの撮影もそうでした。撮影前は、撮りたい場所の大まかなイメージはできていました。その計画では、テレビ塔の前で迫力あるジャンプシーンを撮影するつもりでした。どちらかというとミニマル寄りの写真で、ダンサーたちの自由な解釈に任せることにしました。物事は自然な流れに任せるのが一番。私もダンサーも、ロケーションからインスピレーションを受けています。

FUJIFILM X-S20 & XF35mmF2 R WR

一人を撮影するばかりではなく、集合写真も撮影しました。素早い動きとジャンプをうまく合わせる必要があるため、特にチャレンジングな作品となりました。バレエの美しい、写真映えする瞬間は極めて短いことが多いですから、厄介な任務です。加えて、それぞれ異なる衣装を着ていたことで、全体に個性が生まれ、ダンサーの創意工夫の幅も広がりました。

フォトグラファーはダンスやアクションの撮影において、カメラに対して非常に独特、そして時には厳しい要求をすることがあります。いまや高速撮影とAF追従は欠かせません。ここでは、よく言われる「写真は連写に頼ってはダメ」という決まり文句から、自信をもって抜け出すことが大切です。ダンサーが不適な環境でジャンプやアクションを延々と繰り返すのは、撮影現場では無責任であることはもちろんですが、現在の技術は高速連写という贅沢を実現しています。そこにオートフォーカスの追従性が加われば、まさに無敵の組み合わせとなります。ジャンプの写真が撮れたら、他のポーズや場所、アイデアを出すための時間に余裕が生まれます。ダンス撮影でもそうでした。テレビ塔の前でのジャンプは、どのショットも的確で、あっという間に他の新しいアイデアに没頭できるようになりました。

FUJIFILM X-S20 & XF35mmF2 R WR

私にとって、カメラはできるだけ小さく、軽くなければなりません。この数年で、私が写真で学んだことがあるとすれば、 それは何よりも柔軟でなければならないということです。視点や場所を変え、人のアイデアを受け入れ、撮影中にもっと素敵な場所がないか常に目を光らせる。楽しむこと、工夫することに集中できれば、結果は何倍も良くなります。

FUJIFILM X-S20は、2600万画素のセンサーを搭載し、従来比2倍の高速化と消費電力の低減などを実現した新開発の「X Processor 5」を搭載しています。重量はたったの491gで、実に小さくて便利です。大きめのレンズを合わせても、しっかりと手に馴染みます。

バッテリーの寿命が長ければ、撮影中にバッテリーが切れてしまう心配もないし、予備のバッテリーを買い足す必要もない。そんなメリットが一度に得られます。X-S20は、2200mAhのバッテリー「NP-W235」を搭載しています。前モデルと比較して、バッテリー性能が大幅に向上しています。このことは、高速連写で長時間撮影される方にとって大きなプラスになります。

FUJIFILM X-S20 & XF16-55mmF2.8 R LM WR

また、予備バッテリーを3~4個持ち歩くことがなくなり、荷物の重さや大きさを最小限に抑えることができるようになりました。機材の準備時間は、限られた範囲内に収まるようになりました。事前にバッテリーを充電しておく必要がないのであれば、のびのびと自由にカメラを持って出かけることができますね。撮影当日は8時間ほど撮影していたのですが、電池交換すら必要ありませんでした。その間に2~3回、場所を変えて撮影しました。コンパクトなサイズと重さで、長時間の撮影を快適に乗り切ることができました。X-S20は、いろいろな意味で、日々の写真ライフを明確に向上させるものだと思います。

私にとってFUJIFILM X-S20は、柔軟性とクリエイティブへの自由度を意味します。小さくてコンパクトだから、いつでも持ち歩ける。X-S20は、小型で信頼性の高いカメラを探している人にとって、技術の面で妥協することなく、写真撮影に存分に専念できる最高の相棒だと私は考えています。

FUJIFILM X-S20 & XF16-55mmF2.8 R LM WR