2018.05.04 Jacek Bonecki

X-H1でラリーを撮る -Jacek Bonecki

Jacek Bonecki

写真家であり、撮影監督、TVプロデューサー、ジャーナリストでもある。80年代初期に写真家として活動を開始。トラベルやスポーツ、コマーシャル、車、報道など多岐にわたる分野で活躍するマルチな写真家である。
幅広いジャンルのなかでも、特に旅写真を好む。カメラと共に6大陸、70か国へと旅立ったにもかかわらず、今でも新しいアイデアや計画であふれている。ポーランドの有名雑誌に数々の作品が掲載され、世界中で展示会も行われている。また、彼の得た知識や経験はNational Gegraphicから出版されている「Fotograf w podróży」と「Przystanek Dakar」で紹介さている。
ワークショップや講義、セミナーを主催する写真の講師でもあり、自身の知識や情熱を愛好家と分かちあっている。

私の人生は写真に対する情熱そのものだ。子供の頃から世界の美しさを描写したいという衝動を感じていた。この魅力は、今私の仕事となり、私の全てを捧げている。
自然の不可思議な現象を写真に収めるために、その道のりがどんなに困難であろうと世界の果てまで足を運ぶ。撮影に恵まれる機会、そして切り取ったその素晴らしい瞬間こそが最も価値ある報酬なんだ。
自分を1つの写真ジャンルに限定したくない。旅にでるメリットは、風景、肖像画、ルポ、ストリート写真、スポーツ写真などあらゆるジャンルに携われることだと思っている。

ダカール・ラリーに代表されるクロスカントリー・ラリーの撮影は、とてもスリリングで大きなチャレンジ。ダカール・ラリーを撮る写真家になるための最低必要条件は、チーターのように速くて、タフで注意深くなければならないこと。使用するカメラも、厳しい天候や予期せぬ状況でも100%信頼できるものでなければならない。

レーシングカーを撮るために、私たち写真家も過酷な環境を車と足で長時間移動する。その間、砂嵐の中であろうと、山々の荒い道であろうと、私は「FUJIFILM X-H1」と共に常に行動をする。レース中は、石がタイヤに弾かれて飛び散ってくることもあるし、昼と夜の気温差が50度に達することもあるし、大雨に遭遇することもある。カメラは、このような極限な環境に耐えられる堅牢性と移動の負荷にならない軽量なボディを兼ね備えてなければならない。撮影の度にカメラをいちいち保護袋から出し入れする時間なんてない。ラリーでは、ドライバー、ジャーナリスト、フォトグラファー全員が各々レースをしてるんだ。
ラリーカーは、まばたきをする一瞬の隙をついて砂丘の後ろから飛び出てくる。だからカメラは、最も高性能なAFトラッキングシステムを兼ね備えたものに限る。速いスピードで移動するラリーカーを追従するには撮影は連写モードに限る。メモリバッファは、より多くのショット数を格納するためには非常に大きなものでなければならない。

X-H1でもっとも重宝する機能は、ボディ内手ブレ補正。その効果は一目瞭然。撮影に欠かせないのは、もちろんだが、それ以外でも望遠レンズを使っている時にとても便利。ボディ内手ブレ補正のおかげで、ファインダー内のイメージ が安定して、レーシングカーを非常に正確に追従することができる。
日が沈んだ後は、サービスキャンプで夜間撮影を開始する。主な光源はたいまつ。明るい望遠レンズを使ってよく撮影をする。ほとんど光のない環境では、高感度性能がとても重要だ。 X-Transセンサーはそういった面でもアドバンテージがあると感じている。色調豊かな画像を生成するので、レンズを光源に向けてシャッターを切り、コントラスト高めの画像を楽しむことができる。さらに、新しいフィルムシミュレーション「ETERNA」が追加されたことで撮影が今まで以上に楽しくなった。エテルナでダイナミックな写真を撮るための工夫を考えるようになり、新しいアイデアへのインスピレーションを私に与えてくれた。
X-H1は、最新の技術が凝縮された素晴らしいカメラ。それは、最も過酷な状況であっても、壮大な写真を撮ることを可能にしてくれる。私とFUJIFILM X-H1 – この組み合わせで止まることはないだろう。