2015.11.09 FUJIFILM

One lens one story #12

XF1.4X TC WR について、もうひとつ。XF50­-140mmの魅力をググっと拡大してくれることに加え、そのサイズである。
一般的に、長焦点距離のレンズを設計においては、センサーサイズの違いによる差分は少なくなる。一番大きいエレメントである前玉レンズが、焦点距離・F値に比例するため、APS用だろうが、M4/3用だろうが、レンズ全体の大きさは35mm判用とあまり変わらなくなってしまうのだ。
しかし、レンズの後半部分、つまりセンサーの前にくるエレメントは違う。最後端レンズは、センサーサイズに比例する。
テレコンバーターは、まさにAdditionalな最後端レンズ群とも言える。そう、つまりAPS用レンズのアドバンテージを最大限に享受できるコンパクトな設計が可能になるのだ。
実際に、35mm判用のテレコンバーターと比べると、XF1.4X TCは驚くほど小さい。装着していることを、気付かれないくらいと言っても過言ではない。また、非常に薄いので、レンズ・カメラを組み合わせた時の重心バランスもほとんど変わらない。操作する際の、手の置き位置の変化も、ほとんど意識せずにすむだろう。
主レンズの魅力のみをググッと拡大する、しかしハンドリングの良さはスポイルしない。それも、よいテレコンバーターの条件の一つである。