2015.11.06 FUJIFILM

One lens one story #11

XF50-140mmに強力なタッグパートナーが登場した。XF1.4X TC WRだ。このテレコンバージョンレンズと組み合わさるレンズは、XF100-400mm、1:1マクロレンズと、順次拡大していく予定になっている。
テレコンバーターの設計というのは、一般的に非常にもどかしい。なぜならば、テレコンバーターというのは、複数のレンズに対応することを想定しているからだ。10本のレンズがあれば10本の設計があり、その背景にはいろんな思惑と思想が隠されている。
画質重視で設計されたものは比較的に幸いだが、サイズ優先で設計されたもの、レスポンスありきで設計されたもの、いろいろある。また画質重視と言っても、テレ端に重きをおくこともある。全域で平均的な写りをキープさせようとすることもある。そして、シャープネス重視であったり、階調優先であったり、ボケ味重視であったり、一直線上には並べて談じることは難しい。
そんな、個性豊かなレンズ群をまとめて、受け止めなければならないのがテレコンバーターというものなのだ。
そこで、テレコンバーターに求められる特性というのは、”主レンズの個性を、あるがままに、焦点距離のみを拡大する”ことになる。
つまり、テレコンバーターをつけたら、余計な味がついてしまうようではダメなのだ。
しかし、”主レンズの個性”とは、そのまま”レンズの諸収差のありかた”とも言える。テレコンバーターは、その諸収差をもググっと拡大するのだ。テレコンなしのときには見えなかった収差が、目立ってくることもある。”これなら、トリミングしてたほうが、ましだった、、、”となるテレコン&レンズの組み合わせも、世の中にはあるのだ。
さて、やっと本題のXF1.4X TC WRだが、このレンズは幸いだ。なぜなら、非常に素性のよいレンズがパートナーとして迎えいれることを想定して設計されているからだ。
すでに、WECで4名のX­Photographer達が使用しているが、XF50-­140mmとこのレンズの組み合わせは、折り紙つきだ。
XF50­-140mmの持つ、キレ・ボケ・クイックネス、全てを維持したまま、そっくり焦点距離を伸ばしてくれる。

エピソード12を続けて読む:
One lens one story – エピソード12: XF1.4X TC WR 後編