2018.10.24 Nick Thomas

メイキング・オブ「A Memento of Life」

富士フイルムから未発表カメラの撮影プロジェクトのオファーをもらったとき、私は早速ライター兼監督兼俳優であるReamonn Josheeに、プロジェクトに興味がないか連絡をとりました。 彼は、すでにいくつかの完成した脚本を持っていて、その中から “A Memento of Life”を迷いなく選びました。それは、写真家と肖像写真に関するストーリー進化。 Reamonnと私は、プロデューサーのBonita Schoenleberと共に、3週間で映画を完成させました。

「A Memento of Life」は、多数のエキストラと衣装を必要とする時代劇で、ロケーションもその時代にふさわしい場所が必要だったことを考えると、野心的なプロジェクトでした。撮影は、アルバータ州カルガリーのヘリテージパークで行われました。予算の関係上、私たちに与えられた撮影時間は8時間。撮影は組織的で効率的に動かなければいけませんでした。

FUJIFILM X-T3にバッテリーグリップを装着し、ProRes HQ 10bit 4:2:2出力を記録するAtomos Shogunを装備したロッドマウントシステムに取り付けました。可能な限り高画質で記録したかったからです。 X-T3が4K DCIサイズで記録できるにもかかわらず、外部レコーダーは4K UHDに制限されていたので、外部記録されたファイルにはわずかなクロップが生じたのは残念でした。最終的に2.39:1のアスペクト比で仕上げたいと思っていたので、撮影中はフレームラインマーカーをオンにして、構成を確認しながら撮影をしました。全編をISO 640とフレームレート23.98 fpsで撮影。 Xシリーズには幅広いレンズ群がありましたが、今回チョイスしたのは、シネマレンズ「FUJINON MKX18-55mmT2.9」。各工程ですばやく動かす必要があったため、このズームレンズが最適でした。 MKX18-55mmT2.9は焦点距離をカバーしていました – 普段は、単焦点レンズを好みますが、必要な焦点距離をすべてカバーしていたので、レンズ交換の時間を省くことができ、撮影をより効率的に進めることができました。

その他には、ゴールドマウントバッテリープレートにCore SWX Hypercore 150Whバッテリーを搭載したTeradek Bolt 1000とTilta Nucleus-Mワイヤレスリモートフォローフォーカスを使いました。 Teradek Bolt 1000は、1st ACがフォーカスをあわすために使うSmallHD 703モニターと、撮影監督用のSmallHD 1703 HDRモニターを供給しました。 より幅広いダイナミックレンジを可能にするために、F-Logで全編を撮影。カラーグレーディングはプロにお願いしたいと思っていたので、 私はロサンゼルスのカラリスト・アサ・フォックス(The Mills)に依頼。見事に素晴らしい仕事をしてくれました。

本編に使用したオリジナルの楽曲は、私の友人Chelsea Kindrachukが作曲してくれました。 映画とそのテーマについて話し、それぞれのシーンにマッチした3曲を提供してくれました。 最終的なサウンドデザインはDary Barclay( 6 Degrees)によって完成されました。彼もまた素晴らしいサウンドの世界を創造してくれました。何もないシーンに効果的なサウンドを加えています。

The Camera StoreやGlean Productionsなど多くの人のサポートを得てこのフィルムは完成しました。この場を借りて感謝の意を伝えたいと思います。

Nick Thomas
Director Of Photography
https://www.nickthomasdp.com/

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