2016.07.06

アイスランドへ、X-T2と共に

私は、2011年に初代X100が登場して以来、Xシリーズで写真を撮り続けている。登場してから今日まで、Xシリーズが、あらゆる撮影を可能とするシステムへと進化していく過程を見守ってきた。
私は、自分自身の事を主にストリートフォトグラファーだと思っている。それは、私の周りで起きる出来事をドキュメントしたいという願望があるからだ。結婚式や、スポーツ、イベント、そして自然など、あらゆる出来事・体験を全てをドキュメントしたいと思っている。
Xシリーズの最大の魅力は、世代が変わるごとに大きな進化を遂げること。それは、技術的な話に限った事ではなく、使い勝手も飛躍的に向上しているんだ。

4月下旬頃、自然が美しいアイスランドへ旅立つ計画を立てていた。そして、出発のちょうど一週間前、X-T2のプロトタイプが私の手元に届いた。
アイスランドの厳しい環境の下で、この新しいカメラを試すには絶好の機会だと思ったし、レイキャビクのストリートもこの新しいカメラで撮影してみたいと考えた。

まず、操作面について。いくつか、とても良い改善がX-T2に見られた。
3方向へ動く液晶モニターは、三脚を使って風景を縦位置で撮るときにとても便利だ。心地よく撮影に集中することができる。

X-T1の防塵・防滴仕様は、X-T2へそのまま引き継がれている。滝の撮影など、水滴が気になる場所でも気兼ねなく撮影に集中できる。それにアイスランドのように、一日のうちで天気がめまぐるしく変わるような場所でも、安心していられるカメラだ。この旅行の最後日、氷点下になり、突然雪が降ってきて、ハイキングを断念せざるを得なくなった。だが、その90分後には、晴天の下、気温+12度のレイキャビクの街を歩いていたんだ。アイスランドは、その日の服装と持ち出すカメラが、試される場所である。

X-T2で新しくなったダイヤルも使い勝手が非常に良い。ワンプッシュのロック機構が設けられたので、設定の固定と変更を瞬時にすることができる。私の哲学は、シンプルでいること。きっとX-T2の開発者も同じ思想を抱いているのだろう。従来の機種よりも、指先で操作できる項目は増えている。それにもかかわらず、操作は直感的で、簡単に使えるんだ。

X-T2が描く画質は素晴らしい。2400万画素のX-Trans IIIセンサーのダイナミックレンジはとても広く、ハイライトからシャドーのエリアまでディテールを損なうことなく、シャープな風景を撮ることができる。クラシッククロームは、どんよりとした空や、枯れた木々、深い青の海にベストマッチしたフィルムシミュレーション。黒白には、ACROSがある。階調とDレンジが素晴らしい。この2つのフィルムシミュレーションを使いこなすことで、撮影後のポストプロダクションは、必要最低限で済む。

X-T2は、あらゆる機能を兼ね備えており、要望が多い写真家の期待にも応えてくれるカメラだ。どんな状況でも、素晴らしい写真が撮れることを約束してくれるだろう。

写真: Jonas Dyhr Rask