日本のダンスの発展と普及を図るためにスタートした「第一生命 D.LEAGUE」。
2020年8月に発足したダンスのプロリーグは、この分野でのプロフェッショナルを生み出すと同時にアート、スポーツそしてビジネスにおいて、新しい価値観の創造を目指している。
今回、撮影したチームは「SEPTENI RAPTURES」。
開幕からトップを目指し、走り続けているチームである。誕生したばかりの新しい世界観がこの国に根付くのか、それを確かめる為、今回は彼らに撮影協力を仰ぎ、富士フイルムのX-T4、4K60fpsオーバーサンプリングで撮影。フィルムシミュレーションは「クラシックネガ」で挑んだ。
レンズはXF8-16mmをメインで使用している。広角レンズでの動画撮影はAFが非常にシビアでAFでの使用が難しく、MFでの撮影が多いが、今回は顔認識&瞳AFでしっかりと撮影出来た。また、撮影スタジオは暗所で通常ではAFが難しい状況であったが、低輝度AF -7EV※という驚異のスペックで、撮影に余裕があった。また、カメラをジンバルに乗せて撮影する場合、動画専用モードにして撮影するとモニターのタッチパネルで全ての動画設定を変更できるためオススメだ。
※XF50mmF1.0 R WR装着時
映像に躍動感を出したい為、被写体にギリギリに近づいて撮影を行なっているが、捉えたい人物に瞳AFが効いている。
AFエリアはワイドトラッキングを使用。また、光が強く当たっている場所も諧調が豊かでメリハリがついている。
ダンスは動きが非常に早く、画角内に入れ込むのも難しいのだが、X-T4のAF性能が良い為余裕を持って撮影出来た。
画面の構図を斜めに撮っている為、AFが迷うことも数多くあるのだが、このボディとレンズの組み合わせは無茶をしても撮影者の意図を汲んでくれる。
上記のような場面シーンの場合、手前の柱などにピントが合う事が多く個別調整が必要だったりするのだが、被写体への粘りも素晴らしく、追従したい被写体を邪魔する障害物があった場合でも、AFが粘ってくれる。
被写体までの被写界深度も無作為に変化していくにも関わらず、瞳AFが逃さないのも素晴らしかった。
ここまで、AF性能が良いと撮影者にとって安心して余裕ができる。
広角レンズで光を多く入れる場合、メーカーのレンズの作り方や特徴が一番よく分かる場面で、画面奥の光が強く照射することも多いのだが、XF8-16mmは逆光耐性が良く、不用意なゴースト&フレアも少ないのが特徴だ。
フリースタイルでのダンスシーンでダンサーが思うままにパフォーマンスをするため、ダンスパートが不明だったが、急な後方宙返りの動きでもAFは迷わず追従しているのが分かる。咄嗟の判断に強い!と言い切れる場面だ。
X-T4とXF8-16mmでの動画撮影、AFの良さから画質の良さ。また、クラシックネガを使うことでグレーディングを行わなくともこの色味を表現できるFUJIFILMの色を見ていただきたい。