2023.06.21

X-S20: 理想的な家族向けカメラ

家族ドキュメンタリー写真家Marisa Kraft氏、家族の賑わいを記録しながらFUJIFILM X-S20を検証する。

「子どもはすぐに大きくなる」という言葉を何度聞いても、その意味を本当に理解できるのは、自分が小さな家族を持つようになってからだ。

このことは、家族ドキュメンタリー写真家のMarisa Kraft氏が誰よりもよく理解している。5歳、7歳、9歳の3人の子供を持つ彼女は、家庭生活の慌ただしさの中で忘れられがちな数々の美しいモノをとてもよく心得ているのだ。

「ちょっとしたこと、いつもあるような日常が、ある日突然起きなくなることがあるのです」と、Marisa氏は言う。

「子供の頃はあっという間に変わってしまいますから、ずっと一緒だったものに別れを告げる機会がないことが多いのです」。

「何気ないちょっとした瞬間を写真に残さないと、そのまま消えてしまいます」。

Photo 2023 © Marisa Kraft | FUJIFILM X-S20 and FUJINON XF16-55mmF2.8 R LM WR, 1/3200 sec at F2.8, ISO 160

このような姿勢で写真と向き合っているMarisa氏に、FUJIFILM X-S20をプレゼントしたところ、大変喜んで頂けたようだ。

X-S20の2610万画素X-Trans CMOS 4センサーの画質を高く評価し、「一家に一台は欲しいカメラです」と語る彼女。

「誰もが自分の携帯電話にカメラが付いていますよね。そこにあり、きちんと役割は果たすのでそれはそれでありがたいのですが、スマートフォンの美しく明るい画面ではきれいに見えるのに、パソコンで拡大してみると、どこでどう崩れているのかがわかるんです」。

「だからこそ、皆それぞれ自分の役割を果たすことができるカメラを持つことがとても重要だと思います」と彼女は続ける。「家族の瞬間を記録するという仕事をするのだから、シャープで美しい写真を撮るという役目を果たせるものが必要です」。

Photo 2023 © Marisa Kraft | FUJIFILM X-S20 and FUJINON XF8-16mmF2.8 R LM WR, 1/2000 sec at F2.8, ISO 100

ポータブルカメラの重要性

Marisa氏が写真の世界に足を踏み入れたのは、変化の激しい赤ちゃんの時期を記録するために、長女の写真を撮ったことがきっかけだ。それ以来、自分の技術を極めるために進んできた。だがそれは、急成長の過程であった。

彼女は、機材選びが大きなポイントになったと語る。特にその大きさだ。

「撮影を始めた頃、一番大変だったのはカメラを常時持ち歩くことでした」と、彼女は振り返る。「バッグに入れて持ち歩いたり、キッチンテーブルの上に置いておいたり、とにかく身近に置いておくことを習慣にすることです」。

「なので、このカメラのサイズは本当に特別!とても軽いの」と明かす。

X-S20は、わずか491gのコンパクトなボディで、持ち運びに優れた設計となっている。そのため、Marisa氏はベストなタイミングでベストな場所にいることができただけでなく、完璧な瞬間をとらえるために、簡単かつ迅速に操作することが可能だ。

Photo 2023 © Marisa Kraft | FUJIFILM X-S20 and FUJINON XF35mmF1.4 R, 1/250 sec at F3.6, ISO 1250

素早い動作のフレーミング

一瞬を逃さないために瞬時に対応する能力も、カメラが追いつかなければ意味がない。そのために、X-S20には富士フイルムの最新プロセッサー「X-Processor 5」が搭載されている。

このような高度な内部チップを搭載することで、最新のボディ内手ブレ補正機構(IBIS)などの機能を提供しているのだ。手持ち撮影時に最大7.0段分の安定性を確保し、カメラの動きによるブレを防ぐことが可能になる

Photo 2023 © Marisa Kraft | FUJIFILM X-S20 and FUJINON XF8-16mmF2.8 R LM WR, 1/250 sec at F2.8, ISO 1600

また、フラッグシップモデル「FUJIFILM X-H2S」と同じ被写体検出オートフォーカス(AF)をX-S20にも採用している。SR-AUTOモードを使用すると、フレーム内に入り移動する被写体をカメラが自動で認識し、ロックすることができるため、動き回る子供たちを撮影する際に非常に便利な機能である。

「このタイプの写真を撮る人にとって、とても重要なことです」と、Marisa氏は述べる。「犬や子供、スポーツ観戦など、動きの激しい被写体を撮影される方におすすめです」。

「また、写真を始めたばかりだと、考えることがたくさんありますよね。そんなときにフォーカスを合わせるのに助けになるようなものが必要です。それが全てです。本当に大切です」。

Photo 2023 © Marisa Kraft | FUJIFILM X-S20 and FUJINON XF35mmF1.4 R, 1/250 sec at F2.8, ISO 500

初心者にも手に取りやすいカメラで、これだけのプロフェッショナルな性能を発揮できる汎用性は、Marisa氏にとって大きな魅力と言えるだろう。

「何がすごいかって、誰でもX-S20を扱えることです。X-S20は、ミラーレスカメラで写真を撮ったことがない人でも、SR-AUTOモードに設定すれば簡単に素晴らしい写真を撮ることができるのが魅力です。また、プロのセカンドボディとしても使える柔軟性も備えています」と力説する。

これらの要素に加え、前モデルよりも長いバッテリー持続時間を実現することで、厳しい条件下で活発な被写体にも対応できるカメラとなった。

Photo 2023 © Marisa Kraft | FUJIFILM X-S20 and FUJINON XF8-16mmF2.8 R LM WR, 1/250 sec at F2.8, ISO 1600

気持ちのいいカメラ

X-S20は小型・軽量でありながら、グリップが握りやすく、手持ちでの撮影が安定して行うことが可能だ。特にMarisa氏のように、さまざまなレンズを使い分ける写真家にとっては、特に重要なことなのだ。

「X-S20 は、手になじむように設計されているよね。安定感のあるグリップが魅力です」とMarisa氏は言う。

「私は色んなレンズを使って制作しています」と彼女は続ける。「XF18mmF2 R のように小さくコンパクトなものもあれば、XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS、XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR など、やや長いものもある」。

「X-S20は、あらゆるレンズを装着してもバランスが取れるようになっています。非常に強力なつかみがあるので、片手で持ってもどちらかに傾いてしまうようなことはないですね」。

Photo 2023 © Marisa Kraft | FUJIFILM X-S20 and FUJINON XF18mmF1.4 R LM WR, 1/250 sec at F1.6, ISO 1250

初心者におすすめのカメラ

全体として、Marisa氏はX-S20の多用途性と、多くの優れた機能、そのすべてが任意で利用可能であり、かつ簡単に使えることに感銘を受けた。そのため、持ち主と一緒に成長できる柔軟性があり、これから写真を始める人に最適なカメラだと感じているそうだ。

「初心者はSR-AUTOモードで制作し、プロ品質の写真を撮ることができます。その後、露出トライアングルを学び、慣れてきて、写真の旅に一歩踏み出したいと思ったとき、X-S20は絞り優先、シャッター優先、そしてマニュアルをも提供します」と説明する。

“写真家ではない、今はスマホで写真を撮っている友人からどんなカメラを買えばいいのか、という相談を受けることがあります。おすすめできるのはX-S20です」と、Marisaは断言する。
「X-S20は、本物のカメラを使うことの特別感を改めて感じさせるものだと思います」と彼女は結論付けた。