2022.09.09

X-H2: ショートフィルム "Cinematic 8K" x 大川優介

X-H2インプレッション

こんにちは。日本で活動しているTranSe Inc.取締役兼、動画クリエイターの大川優介です。
今回は新製品のFUJIFILM X-H2を使用して様々な景色、体験、そして被写体を撮影してきました。天候が優れず、撮影が延期するなどのハプニングもありましたが、 自然体験やアクティビティー、ポートレートなど、X-H2の魅力を伝えるために様々な環境での撮影に挑戦しました。

ハードウェアの印象

今回の作品もそうですが、作品を制作する際のコンセプトとして、「一瞬を切り取る。」ということを大切にしています。
僕自身、しっかりと準備して撮影に臨むこともあれば、 即興スタイルで撮影することもあり、その都度の状況に応じて撮影することを意識しているため、それに対応できるX-H2の機動力には驚きました。

新製品の撮影の場合、機材にすぐに慣れるのが難しく、使いにくいさが生まれてしまうものなのですが、X-H2の場合、ボディサイズはコンパクトながら大型のグリップがしっかりとホールド感を強めており、且つ直感的に操作できるため、想像していた以上にすぐ手に馴染み、一つ目のシーンから完璧なカットを撮影することが出来ました。

また、僕の場合は動画だけではなく、SNSに写真コンテンツを発信する事も多いので、動画機能の状態から左手の操作だけで簡単にスチール機能にシフトできるという点も重宝しました。

7段のボディ内手ブレ補正

Cinematic撮影は常に時間との戦いです。今回の撮影でも「あと5分で太陽が沈んでしまう」といった状況がありました。瞬時にジンバルに乗せている時間はなかったため、直ぐに手持ちで撮影を行ったのですが、ボディ内手ブレ補正の性能が驚くほど高く、手持ちで撮影をしていても滑らかな表現が可能でした。

ただ、シーンや表現方法によっては必ずしも滑らかな映像が正解とは限りません。手ブレ補正機能のオン/オフを切り替えることで、程よい揺れを作り出すことが出来たので臨場感を演出し、作品の表現を広げる事が出来ました。

8K動画のクオリティ

X-H2の8K撮影機能は動画クリエイターにとっても非常に自由度が高く、表現力を引き出してくれる機能となっています。

目の前の素晴らしい景色を 高解像度で収録できるおかげで、人々に目で見た景色に近い映像作品を届ける事が出来ます。また、8Kで収録をしておけば4K作品を作る場合にも画質を損ねる事なく自由にサイズ調整ができるので、編集調整の幅が2倍に広がるのもメリットです。

映像作品における「富士フイルムの色」

後からカラーグレーディングを行ったため、F-Log & F-Log2で撮影を行いましたが、液晶モニターに表示されるプレビュー段階から色が美しかったのが印象的でした。 動画撮影は、画質という面において写真よりもその場での感動を感じにくいものですが、X-H2の色再現の感動は大きかったです。

また、ダイナミックレンジが広く、シャドーとハイライトの階調が豊かなので、夕日のシーンなどでも非常にスムーズにカラーグレーディングを行うことができました。

モトクロスの撮影においてはProResコーデックで撮影を行いましたが、10bitの豊かな色表現を実現することが出来ますし、編集も効率的に進める事が出来ました。

オートフォーカス性能

マニュアルフォーカスがメインだったり、オートフォーカス性能が弱いと撮影の可動域が変わってきてしまうため、理想の構図を得にくくなってしまします。

X-H2のオートフォーカスが動きの速い被写体をどこまで追えるのか、実際に撮影するまでは分からなかったのですが、 結果は動画を見ての通り。かなり安心して撮影を行うことが出来ました。

ただ高解像度の綺麗な映像を撮れるというだけでなく、動きの速い被写体の撮影にも対応しているのは感動しました。

XFレンズについて

今回は複数の交換レンズを使用しましたが、その中でも特にズームレンズのXF18-120mmをメインに撮影を行いました。物理的に近付く事が困難なアクティビティーの撮影も行ったのですが、サーフィンやウェイクボードのような動きが激しく、追うのが難しいシーンでも、高倍率ズームと高いAF性能のお陰で、遠くの被写体も即座に捉えることが出来、最適な構図で撮影をする事が出来ました。

高い堅牢性

通常、ここまでアクティブな撮影を行うと、必然的にカメラ本体に負荷がかかるものだと思っています。しかし、X-H2は防塵・防滴・耐低温-10℃構造により、このような過酷なシーンの撮影でも問題のないカメラであることを実感しました。今回は真夏の撮影でも特に熱暴走はなかったですが、別売りのアクセサリーとして冷却ファンも用意されているので、長時間撮影をする方でも安心です。

語らずして語る。僕の作品を見てもらえれば、X-H2の魅力の全てが分かると思います。

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