2022.03.16 Gianluca Colla

"The White Continent" x Gianluca Colla

Gianluca Colla

1976年、イタリア・レッジョエミリア生まれ。高校卒業後、ボローニャの土木・建築学科で学ぶ。各分野で経験を積んだ後、旅行好きと写真への情熱が高じて、これら趣味をまとめて仕事にすることに。 写真、特にデジタル分野の深い知識を持ち合わせ、ナショナル ジオグラフィック、ブロックバスター、ワールド・ゴールド・カウンシル、UBS銀行、トヨタ、サーチアンドサーチ、ザ・ブルー・ゾーンとのコラボレーションを含め、多くの分野で仕事をこなす。これらのコラボレーションを通じて、北極圏からアフリカの砂漠まで、あるいは極東からアマゾン川流域まで、世界中のさまざまな場所を訪問。 その写真は、ナショナル ジオグラフィック誌、NG Travel Magazine、ニューズウィーク誌、CondéNasteなど、さまざまな出版物に掲載されている。 2004年以降、冒険、科学大衆化、現代技術の活用のために集まり、オンラインでのインタラクティブ調査を行う冒険家と科学者のチームである「The Quest Network」のメンバー兼カメラマンを務める。さらに、NAPP (National Association of Photoshop Professionals)のメンバーでもあり、セミナーの開催や、デジタル写真講座での指導にもあたっている。 休暇中は、イタリアとスイスを行き来して過ごす。

真っ白な大陸でのGFXシステム

私は今まで何度も南極へ行く機会に恵まれてきており、間違いなく幸運な旅行者の部類に入るでしょう。同僚や友人からも羨ましいと言われます。

今回のプロジェクトでは、GFXシステムを持って南下するという、今までとは違うチャレンジを行いました。いつもは信頼できるXシステムを持って撮影に行くのですが、今回はGFXシステムが南極でどのように機能するのか、極限の環境下で試してみたかったのです。砕氷船に何日も揺られ、大きな波と海氷の中を進むゾディアックボートに飛び乗り、ゾディアックボートから大きな氷山や大きな氷塊に囲まれた岩場へと向かいます。

FUJIFILM GFX50S II & GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR

あらゆる方向から吹き荒れる風、波、水しぶき。そんな環境の中でバックパックから機材を出し入れし、最悪の場合は、首からぶら下げたまま外気にさらけ出し続けることもありました。

多くの機材では耐えられないような極限の状況です。実際、このような状況下でカメラが壊れていくのを何度か見てきました。(幸い、私のカメラではありませんでしたが)

FUJIFILM GFX50S II & GF32-64mmF4 R LM WR

私の場合、過去に一度も故障の経験はありませんでした。GFXシステムはとても信頼性が高くタフなので、例え酷使しても問題はなかったのです。GFX100S、GFX50S II、そしてGF32-64mm、GF100-200mm、GF250mmやGF23mmなどのレンズを持って行きました。基本的に、1つのボディは広角用(主にGF32-64mmを常時装着、時々GF23mmも使用)、もう1つのボディは望遠用(GF100-200mmを標準装備、より長いリーチが必要な時はGF250mmを使用)です。

GFXは使い勝手において最高の機材です。同カテゴリーのカメラ市場でこのレベルの性能を持つ機材はありません。さらに言えば、操作性、操作のスピード面でも多くの一眼レフやミラーレスと同等のレベルにあると評価しています。

つまり、スタジオクオリティとミラーレスの使い勝手を両立させたシステムなのです。このような二面性を持つカメラは他にありません。

FUJIFILM GFX100S & GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR

画質について少し考えてみましょう。この場合の画質は、もちろん画素数だけではありません。確かに画素数は圧倒的に多く、GFX100Sは100MP以上、GFX50S IIは50MP以上ですが、個人的には画素数は全く気にしていません。ダイナミックレンジ、色再現性、シャープネス、立体感など、他の追随を許さない魅力があるのです。

このカメラが生み出す画像には、美しさ、ハイライトとシャドーの両方における驚くべきディテール、ボケ味など、様々な素晴らしい魅力があります。そう、このラージセンサー(フルサイズ比+70%)は、シャープな部分とボケている部分のギャップを、私たちがこれまで見てきた、撮影してきたものとはまったく異なる方法で描き出すからです。シネマティックエフェクトと呼ばれるような、小型センサーにはない立体感があります。

FUJIFILM GFX100S & GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR

逆説的に聞こえるかもしれませんが、シャープさと滑らかさが同居しているのです。私が本当に驚いた点であり、このカメラから得られる画像を際立たせているポイントは、画像の最もシャープな部分からボケている部分までの絶妙な変化です。本当に素晴らしい!

また、色再現もこのカメラの素晴らしい特徴です。このカメラは、私が見慣れてきたデジタルの写真以上に多くの色を表現しているように感じますが、これもまた、階調の素晴らしさに帰結するのです。ある色から別の色への移行が、自然に柔らかく、多くのグラデーションで表現されています。

私は普段からX/GFXを愛用している写真家であるため、ある種プロパガンダに聞こえるかもしれませんが、私はこの機材を心から支持しています。私にとって同等の画質のカメラを見たことがないし、少なくとも手にしたことはありません。もちろん、眼や構図をそのまま道具に置き換えることはできませんが、純粋な画質(とサイズ)という点において、私たちはこれまでとは別の惑星にいるのです。

FUJIFILM GFX100S & GF250mmF4 R LM OIS WR

では、写真ライフをより一層快適にするために、他にはどのような機能が備わっているのでしょうか?最大6段分の手ブレ補正が可能な5軸のボディ内手ブレ補正機構も搭載されています。

また、これまでは静止画についてお話しましたが、次は動画についても言及したいと思います。富士フイルムは画質が良いだけでなく、GFX100Sでは4K動画でフレームレートが25fpsの高画質を実現しました(GFX50S IIでは1080で25fps)。

これらのスペック上の数字は、私にとっては画素数と同じくらい重要なものです。

ゼブラパターン、コーデック選択、f-log記録、タリーライト、SMPTEタイムコードのコントロール、タッチAFなど、ビデオカメラに求められるすべての操作がカメラ内で可能です。ボディ上部にある実用的な切替スイッチで、静止画から動画へ素早く移行できます。

また、撮影する時に忘れてはならないのは、静止画の美しさについてご紹介した特徴や魅力が、同様にそのまま動画の画質にも当てはまるということです。立体感のある映像、驚くべきボケ味、超シャープな映像があれば、次のオスカー賞も狙えるかもしれません!

FUJIFILM GFX100S & GF250mmF4 R LM OIS WR

FUJIFILM GFX100S & GF250mmF4 R LM OIS WR