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2015.08.03 FUJIFILM

フジノンの歴史 エピソード6

前回につづき、カメラである。1986年、FUJIFILMよりGX680 Professionalが発表される。
その名に”Professional”を冠することが示す通り、Professionalのため、特にStudioで作品制作をするProfessionalのために、開発された中判カメラシステムである。
GX680の特徴は、以下の2つに尽きる。縦横のフォーマットを切り替えるレボルビング機構。そして、中判としては世界初となるTILT/Shift機構だった。
いずれも、Professionalから強くリクエストされる機構だが、それにかかるレンズ設計にかかる負荷たるや尋常ではなかった。
GX680は、6X8cmで撮影できるがレボルビング機構を持っているということは、実際には8x8cmをカバーするイメージサークルが無ければならない。135フォーマットのほぼ8倍に相当する面積をカバーするレンズを設計しなればならないのだ。
しかも、TILT/Shift機構まで搭載されている。つまり、8x8cmのイメージサークルを、TILT/Shiftさせたときもキープしなければならない。並大抵のレンズでは、このシステムを成立させることはできないのだ。
こういったシステムをカメラメーカーが考案したとき、おそらく多くのレンズメーカーは、サポートすることを拒否するだろう。そして、世の中には結局でてこないかもしれない。
しかし、FUJIFILMはPhoto メーカーだった。中判フォーマットのフィルムが持っているポテンシャルを知っていた。そして、カメラとレンズを作り上げる力を持っていた。最終的に、GXマウントレンズは13本開発され、Studio Photoの一時代を築く。
ある撮影において、本質的に必要なものは何なのか?それを突き詰めて、ゼロベースで”最適・最高のシステム”を考える。そこには既成概念や、既存のシステムにとらわれることはなかった。それはまさに、2010年代にXマウントでやったことでもある。

エピソード7を続けて読む:
エピソード7 -大判カメラ用レンズの再来-