2020.10.29 Ewa Meissner

#SOOC: Ewa Meissner x X-S10

Ewa Meissner

1971年ワルシャワ生まれ。2000年から2005年までワルシャワのCollegium Civitasの政治学部でジャーナリズムを学ぶ。ナポ・イメージズ・エージェンシーの共同設立者。現代美術センター、ポーランド美術写真家協会の旧ギャラリー、ワルシャワの王城、クラクフの日本美術技術センター「マンガ」などで写真展のキュレーター、共催者を務める。2010年からはワルシャワ大学ジャーナリズム研究所に協力し、プレス写真、ファッション写真の歴史を教えている。
写真集『Echo』(Maksymilian Rigamonti)、『Some Things are Quieter Than Others』(Jacek Fota)、『Message』(Maciej Jeziorek)、『Two tailed dog』(Michał Adamski)などの写真編集者。ポーランドのドキュメンタリー写真を紹介するブログ「Polish Documentary Photography Links」の著者。彼女の作品は、社会学的なドキュメンタリー写真とストリート写真の間で揺れ動くもので、ポーランド、フランス、チェコ共和国、イギリス、アメリカなどで展示されている。

富士フイルムから未発表のカメラを試して欲しいと連絡があったとき、私はその申し出に驚きました。それまで富士フイルムのカメラはほとんど使ったことがありませんでした。昔アナログフィルム時代の写真撮影に使用していたくらいでした。そして、だからこそこのプロジェクトに参加したいと思うようになり、SOOCというJPEG撮って出しの要件を満たすべく今回のプロジェクトではVelviaを使用しました。

X-S10 & XF23mmF2 R WR

X-S10は、まずその小ささと重さに驚かされました。見た目も非常に目立たず、誰も驚かすことも恥ずかしがらせることもありません。私が一番気に入っているのは、薄型であることです。しっかりしたグリップは、手に持った時にとても持ちやすいです。外装の素材はしっかりとしたグリップ感を確保しており、手触りも良いです。カメラの電源はすぐに入ります。オートフォーカスについて、シングルモードでの作業時には非常に速く信頼性が高いです。ジョイスティックは親指の下にとても便利に配置されており、ISOやクイックメニューのボタンも人差し指の下にあるのでアクセスしやすいです。

X-S10 & XF23mmF2 R WR

私は12年間、アナログカメラを使った長期的な写真ドキュメンタリープロジェクトを行ってきました。だからこそ、富士フイルムX-S10で採用されている液晶画面を隠せるデザインは、私の習慣を変えることなく、とても重宝しています。私の場合、デジタルカメラの背面にある画面は、撮ったばかりの写真をすぐに見たいという欲求を強めるばかりで、その間に貴重な撮影の瞬間を逃すことに繋がります。私は、レンズの前で起きていることを見続ける方が好きです。あとで自分の作品の出来栄えを見ます。画面を隠すことで傷がつかないようにしています。高感度な液晶画面は動作が速く、反応が良いです。バリアングルなので、上からでも下からでも撮影する時にも助かります。私にとっては、背後でまさに起きている状況を撮影するのに非常に便利でした。アクセスが難しければ(わざわざ自分で開けなければならいなら)、液晶画面を使う気が無くなるので、精細でクリア、そして驚くほど良く動作するファインダーを使う励みになると思います。私は、長年アナログカメラを使ってきたので、電子ビューファインダーには慣れず、長い間ミラーレスカメラを買う気になりませんでした。しかし、X-S10のファインダーは最新の富士フイルムの技術で、アナログのファインダーよりも出来が良くなっているため、電子ビューファインダーは使い勝手が大変良くなり撮影の大きな助けになることは間違いありません。

X-S10 & XF23mmF2 R WR

すっきりとしていて非常に軽いF2.0口径の広角レンズFujinon XF23mmF2 R WRは、デジタルカメラXシリーズのために設計された交換レンズのひとつです。APS-Cセンサーを搭載したミラーレスカメラに接続すると、私のお気に入りのクラシックな35mm相当の焦点距離が得られます。人間の目よりもやや広角の画角で、周囲の景色に文脈を与えることができます。FUJINON XF23mmF2 R WRは、スピーディーで正確、かつ静かなオートフォーカスが特徴です。絞りリングは非常に柔らかく、かつしっかりとした作りになっています。絞り値はF8、F11、F16と全域に渡り非常にシャープで、開放F値2.0の絞り値は、光量の少ない環境での撮影に最適です。それは、ストリート、ドキュメンタリー、旅行や風景写真に最適だと思います。レンズの外装は非常にしっかりと設計されているので、雨、ほこり、熱に耐え-10℃までの氷点下の温度で動作します。そして全く目立たない。X-S10のボディとの組み合わせで、それぞれ調和します。ジャケットを羽織っているときには脇にすっぽりと収まり、周りからはほとんど見えなくなります。ドキュメンタリーフォトグラファーの仕事では、あまり私には親切ではない場所、危険な場所で撮影することもあるので、とてもありがたいですね。

X-S10 & XF23mmF2 R WR

X-S10は、携帯できる “ビジュアルノート “として最適です。大きなカメラでは目立ちすぎる場合や、長時間歩く必要がある場合には、この小型カメラが欠かせません。目立たないよう小さく信頼性の高いカメラが必要な時に、X-S10は小型の要望を満たしながらも「大型カメラ」と同等の能力を私に与えてくれる最高のツールとなりました。頼りになると思っています。

X-S10について書くときに忘れてはならないのが、光量の少ない状況でもブレなく撮影ができるようになるカメラ内手ブレ補正機能です。秋から冬に移り変わる時期になりましたが、三脚なしではありえないような写真が撮れるようになります。

X-S10 & XF23mmF2 R WR

洗練された動画モードは、私にとって新しい分野であり、ウェブ、特に最近では重要なソーシャルメディアのための素材を作成するために、新たな可能性を提供してくれています。Film Simulationを使うことができるということは、例えばInstagramやFacebook用に映像をポストプロダクションする必要がないことを意味します。手ブレ補正を使えば、三脚や外部スタビライザーなど精巧な撮影キットを使う必要性が減ります。今では、静止画の撮影から動画撮影へと素早く簡単に切り替えることができるようになりました。

私の身の回りの現実を記録するとき、主役の一つは彩度の高い表現力のある色です。それは、私の写真のダイナミクスを構築するものです。それゆえ、ワルシャワの夏の終わりについての私のプロジェクトでは、Velviaのカラープロファイルを選びました。これはスライドフィルムを参考にしたもので、写真から文字通り色が飛び出してきます。色はエネルギーと感情の源です。強烈な赤や黄色の濃淡は、緑や青の涼しさと美しくコントラストをなしています。ベルビアは、ストリート写真やドキュメンタリー写真には最適ですが、ポートレート写真にはあまり向いていないかもしれません。

X-S10 & XF23mmF2 R WR

富士フイルムのX-S10で完成させた私のプロジェクト「夏の終わり」は、ワルシャワのヴィストラ川とその周辺の夏のレジャーにまつわる場所の物語で、3ヶ月間の夏とバカンスで賑わいを見せた後、9月になると誰もいなくなって静かになっていく様子を描いています。もうすぐ終わろうとしている気ままな休息の時間への懐かしさは、必然的に秋の到来を告げます。光の量が徐々に減り、夕暮れが早くなると、ワルシャワは視覚的にも眠りに落ちます。