2019.08.06 Javier Abad

PRECIOUS: ハビエル・アバッド x GF50mmF3.5 R LM WR

Javier Abad

写真に興味を持ったきっかけは大学時代、卒業アルバムを撮影したことにさかのぼる。だが、本当に撮影したいものはスポーツ特にスノーボードであると悟る。
1999年から2000年の間、Surfer RuleやSolo Nive、Solo Snowboard、Snow Planetなど数々の国際的出版物に携わる。
ナイキ、Quicksilver、Nitro Snowboardなどのブランドの仕事もこなす。
2006年から2009年までSpotmagのPhotographic editorとして働く。2007年にはフォトグラファー集団"Cazadores de Luz"に参加。Steve McCurryに序文を執筆された “Cazadores de Luz: Las mejores fotografías de los grandes fotógrafos españoles”などを出版。

メイキング・オブ:Hans & Marianne
X-T3 + 23mm – 35mm – 56mm

初めに、このテスト撮影は私にとって素晴らしい贈り物であったと言っておきます。ハンスとマリアンの二人を深く知ることが出来たし、良き友人であるハビエルの撮影に帯同することができ、何より、一目惚れした富士フイルムのX-T3を使用することが出来ました。

私はこれまでずっと富士フイルムでは無いブランド(敢えて明言はしませんが)の機材を使用してきましたので、確かにX-T3に一目惚れはしましたが、システムを乗り換えるような気にはなりませんでした。ずっと同じメーカーの機材を使ってきたので、新しいシステムに乗り換えるには抵抗がありましたが、それは思っていたよりも簡単であることがこの度証明されてしまいました。これまでのカメラとは全く別物ではありますが、慣れるのに時間はかかりませんでした。

X-T3は美しいデザインで驚くほどの小型軽量化が達成されており、とにかく撮り回しがよく効くカメラだと一日足らずで実感しました。画質についても言うことはありません。4K画質もフルHD画質も両方とも素晴らしい画質でした。

私はシンプルで使いやすいもの、そして慎ましやかな佇まいものを好みます。自然体で撮影をしたいので、厳かな機材でカメラを装飾するようなことはありません。一脚やジンバルなどを使用して撮影の自由度が奪われるのが嫌なのです。X-T3はその点についても心配なく、普段の私の撮影スタイルを変える必要がありませんでした。これは嬉しいサプライズでしたね。各種メニューの設定方法については少し戸惑いましたが、これはシステムへの慣れ、つまり時間の問題です。

敢えて一点だけ要望を挙げるとしたら、動画の撮影開始ボタン(RECボタン)はカメラの物理的な安定感と人間工学の観点から、天面では無く背面に設置して親指で押せるようにして欲しかったですね。

それ以外は、X-T3は文句の付けようの無いカメラです。もしあなたが自由度の高い撮影を好むのであれば、ピッタリだと思います。フルサイズフォーマットの画質だ、ボケ味だ、と皆さん仰いますが、画質・重量・デザインなど総合的に考えると、一考の余地は間違いなくあると思います。

フィルムシミュレーションの「エテルナ」モードや、4K画質で50fpsで撮影出来るのも魅力的です。正直なところ、本当に思っていた以上にカメラでしたので、驚きました。

レンズに関しては、総じて小型軽量にデザインされていて驚きました。こんなにカバンの中に省スペースで収まると思っていませんでした。23mmレンズの画質の良さと汎用性の高さ、35mmレンズの「味」が素晴らしいですね。

X-T3での撮影は充実していました。何度も言いますが、X-T3は美しく、自由なカメラです。これを生み出した富士フイルムに拍手を送りたいと思います。