2017.08.24

Saraya Cortaville:X-T20を使ってポートレイトを撮る

私は、これまでX-T20をX-T2のサブ機として活用していた。このカメラは、XF90mmF2レンズと同じように私のカメラバッグに常に入っている。ウェディングや、ポートレイト、旅写真を撮るとき、特に重宝している。写真家として仕事をこなす中で欠かせない重要な機材だ。
X-T2と操作性はとても近く、不便に感じることもない。それに、2430万画素のX-Trans CMOS IIIセンサーはX-T2と同じであり、X-T20で撮れる画像はX-T2同等の素晴らしい画像であることも知っている。

ふとした閃きで、先週末行ったポートレイト撮影で、X-T20をメインカメラとして使うことにしてみた。機材をバッグに詰め込み持ってみるとわかるが、普段よりもさらに軽い!
レンズは常に数本持っていく。特にXF18-55mmF2.8-4とXF90mmF2レンズは欠かせない。それに忘れてはならないのが、XF50-140mmF2.8レンズだ。背景と被写体を切り離す絞り開放の描写が大好きでたまらない。私のスタイルにとてもマッチしていると思っている。

X-T20はとてもコンパクト。なので、長めのレンズを装着するとアンバランスになってしまう不安を抱いていた。X-T20には短めのレンズしか装着したことがない。試しに長いレンズを装着してみると意外にも違和感はない。それに、小さなカメラのおかげで、長いレンズを向けてもモデルの子供たちは脅威を感じていないようだった。
私が、ミラーレスに完全移行した一つの理由に電子ビューファインダーがある。X-T20のファインダーはとても見やすく、じっとできない子供たちの撮影時にも使い勝手がとても良い。
それに、シャッターを切る前に、写真をプレビューできるメリットは計り知れない。「ピントが合っていない!」といった事後に起こり得る精神的な不安も解消される。DSLRを使っていた時と比較しても、かつてないほど落ち着いて仕事に集中できていると思っている。
アイセンサーをONにすることで、LCDとファインダー両方で構図の確認ができる。子供たちを撮るときは特に便利。チルト式のモニターを活用することで撮影の幅も広がる。
X-T20は小型なカメラ。よってX-T2の様にISOダイヤルがない。そこで私は、リアダイヤルにISO設定機能をアサインした。Fnボタンは合計で8つ。自分が割り当てたいとおもう機能に設定できるので便利だ。
AFは速く、レスポンスも良い。91、もしくは325点のフォーカスポイントを選ぶことが出来る。それにフォーカスポイントのサイズも可変できる。
ポートレイト撮影時にはAF-S、AFポイントは91点に設定している。そうすることで、フレーム内の移動が容易になる。隅っこまでAFポイントにあったとしても、DISP BACKボタンを押すことで、AFポイントはデフォルトのセンターに戻る。細かいかもしれないけど、こういったちょっとした機能を兼ね備えてくれるのが富士フイルムのいいところ。操作は直感的で、ユーザーにとっても便利だ。

タッチスクリーンを使って、ピント合わせやシャッターを切る事もできる。慣れは必要だけど、使いこなすととても便利。一連の流れをマスターするとかつてないスピードでシャッターを切ることが出来る。特に苦しい体勢で写真を撮らなければならない時に便利だろう。少女二人が写っている写真はこの機能を使って撮った。この低い角度からのショットは、タッチスクリーンがなかったら成しえなかったであろう一枚だ。

再生モードで、リアコマンドダイヤルを押すとピントの確認が瞬時でできる。フォーカスポイントに瞬時でズームインしてくれる。動き回る子供や被写体が遠い場合にチェックする時に便利な機能だ。

ポートレイトを撮るとき、5~10分おきに撮影場所を変える。そうすることで、自分のモチベーションアップにつながるし、子供たちの飽きを防ぐことが出来る。だから、X-T20の軽量ボディはとてもプラス。
唯一X-T20で残念なところは、カードスロットが1つしか用意されていない事。仕事として使う場合は、1スロットは常にバックアップ用に書き込んでおきたい。特にウェディングやポートレートには必須だ。

使えば使うほどこのカメラに愛着がわいてくる!今はニカラグアとコスタリカへの旅を計画していて、X-T20がこの旅の友になるだろう。トレッキングをする予定だから軽い機材は必須。だけど画質には妥協したくないとなるとX-T20が一番適しているんだ。