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2018.12.21 Christian Bobst

パーソナルベスト vol.6 | クリスチャン・ボブスト

Christian Bobst

1971年生まれ。スイス出身。グラフィックデザインを学び、2010年にフリーランスのドキュメンタリーフォトグラファーになるまでは、アート兼クリエイティブ・ディレクターとして、スイスやドイツの大手広告代理店で15年間働いていた。ヨーロッパ、アフリカ、アジア、北南米など20か国以上を取材。NZZ, die Zeit, Huffington Post and Geo.などに寄稿している。2014年にチューリッヒの13 Photoに参加。

パーソナルベスト – “The Twice Refugees of Shatila(シャティーラ難民キャンプ)”

スイスの国際NGO「HEKS」からの依頼による取材

使用した機材

FUJIFILM X-T2とXF16-55mmF2.8 R LM WR

受賞したアワード

TVCM

この仕事について

時に、フォトジャーナリズムと広告の両方の経験を活かせる仕事の依頼がある。2017年、スイスのNGO団体「HEKS」から、写真取材と40秒のテレビCM制作のオファーが私に届いた。

依頼は、2019年に70週年を迎えるレバノンの首都ベイルート南部にあるシャティーラ難民キャンプの取材だった。この難民キャンプは、世界で最も古い難民キャンプの一つで、1948年に起きた第一次中東戦争中にパレスチナから逃れてきた3,000人の難民を救うために設立された。近年、シリア内戦が起きてから、11万人ものシリア生まれのパレスチナ人がシリア国外に2度目の難民として逃れている。シャティーラ難民キャンプでも、2014年の1万人から2.4万人に人口が増加しており、1キロ平方の狭い空間のなかで人々は生活を営んでいる。この難民キャンプの人口密度は世界でも最も密度が高く、薄暗いコンクリートジャングルの中で頻繁に犯罪が起きている。

私は、フォトジャーナリストとしてこの取材を誇りに思っており、ニューヨークで開かれたIPA International Photo Awardsと、パリのPX3 Paris Photo Prizeでそれぞれ賞を受賞することができた。

撮影は、すべて富士フイルム・Xシリーズのカメラとレンズ。仕事でXシリーズを使うのは、プロに耐えうる画質を有しながらコンパクトなので、荷物の負担にならず機動力が上がるからだ。

作品

高さ10階まで増築された民家の上を鳩が飛んでいる

電線や水管が頭上に交わる道を少年が駆け抜けていく

シリアから来たパレスチナ難民ムハマド・アウマッドは道路清掃から得る賃金で家族を支えている

難民キャンプの狭い道路の頭上では電線と水管が蜘蛛の巣のように絡みあう

道を歩く多くの人々の顔には困難と失望が垣間見える

限られたスペースで遊ぶ子供たち。サッカーボールすらも力いっぱい蹴ることはできない

眼が感染した少年。湿度が高くカビが発生しやすいシャティーラでは感染病の危険に侵されている

ハナディ・カリド・リスタウィは、4人の子供と父親と一緒に20平米の部屋に暮らしている。シリアの難民キャンプから逃れなければならなかった時、一番近くにあったシェルターがベイルートの難民キャンプだった。シリアから逃れてきた多く難民と同じように、彼女たちもシャティーラから脱出したいと思っている。生活環境は酷で、健康のリスクに晒されているからだ

 

 

難民キャンプの路上で遊ぶシリアから逃れた難民の子どもたち

シャティーラにある高いビルの屋上から見た街の風景。難民たちはキャンプの外に出ることはできるが、キャンプの外で働くことや住宅を購入することは禁じられている。

窓から顔をだしている少年

屋上で鳩に餌をあげる少年。鳩の餌やりは彼の日課となっている

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Vol.2 ピーター・デュープ
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