2017.08.03 Pascal Bourguignon

Pascal Bourguignon : GFXで撮る空から見える景色

Pascal Bourguignon

1961年生まれ。初期には国内で野生動物の撮影に没頭した。
写真学校を卒業した後すぐ、彼はそうした撮影を富士フイルム617パノラマカメラで続けながら、人間と社会の撮影活動を開始した。
1996年、彼は数人の友人と、国際的な”Festival of Animals and Nature Photography”を立ち上げた。このイベントはこの20年弱、欧州の野生動物写真家を惹きつけてやまない。
2000年に最初の書籍を出版。
数年後、より自由なフィールドを求め超軽量動力機のライセンスを取得しランドスケープ撮影を主とした撮影活動を開始。その活動と乗り物は彼が非日常的な視点を探す目的で飛び回ることを可能にした。

皆さんは、エンジン付きの超軽量パラグライダー(パラモーター)と、4×5カメラを使って空撮が出来ると思いますか?なかなか想像出来ませんよね。GFXなら、そんなことも可能なのです。このカメラの画質は4×5カメラ同等ながらも、カメラボディはより軽く、小さくなったのです。
最近は、X-T2やX-Pro2の代わりにGFXを持って空撮をするのが楽しくて仕方がないのです。

パラモーターには余分なスペースがありません。飛行中、カメラが気にならないのなら順調ですが、気になったときには、身は危険だと思ったほうがいいでしょう。GFXはデジタル一眼レフとほぼ同じサイズです。大きすぎないのでパラモーターの飛行にも支障はありません。
飛行中にレンズを交換しようとするのは困難を極めます。だから、装着するレンズは極力汎用性の高いものを選びたいところです。私のオススメはGF32-64mm。描写も素晴らしいし、ズームレンズなので、色々な構図を試すことができます。

空撮では光に細心の注意を払う必要があります。コントラストが大きく変化するからです。GFXは、大判センサーだから、ダイナミックレンジには余裕があります。万が一の時でもハイライト、シャドーを簡単にリカバーできます。そして、パラーモーターの場合、ブレを防ぐために高速でシャッターを切らなければなりません。カメラを水平に保てているかもとても大切です。水平に保つことで、撮影後の不必要なクロッピングを避けることが出来ます。こんな場合にも、GFXはしっかりと対応できるのです。
高感度性能も重要なポイントです。日の出は一番のシャッターチャンスだからです。GFXほど高感度に強いカメラは見たことがありません。あまりにも良いので、普段からISO 800で撮っているほどです。
そして一番大切なのはカメラのレスポンスと操作性です。飛行中というのは全くと言っていいほど時間がありません。すぐにカメラを操作できなければ、シャッターチャンスを逃してしまいます。GFXの操作性はX-T2と同じです。そして、ひとつの機能にひとつのダイヤルというところが、シンプルでとても便利です。オートフォーカスはとても早くて正確です。連写機能も私の写真には十分なものを兼ね備えているのでシャッターチャンスを逃すことはありません。

価格は少し高いですが、それに見合った画質をこのカメラは提供してくれていると思っています。いざという時にその違いは確実に出ます。要求の高いクライアントをも納得させられる性能・画質を、このカメラは持っています。

空撮をする時、大多数の写真家はまず飛行機を操縦してくれるパイロットを探します。パイロットが見つからないと撮影に出かけることも出来ないし、見つかったとしても希望通りのルートで飛行できるとは限らない。最近ではドローンを使って撮る手段もあります。ですが、ドローンには、中判カメラを載せることはできないので本当に高画質のファイルを得ることはできません。
パラモーターを選ぶにはそれなりの覚悟が必要です。しかし、見返りは十分すぎるほどに魅力的です。まず、いつでもどこでも自分が計画した通りに空撮ができます。とても自由に撮影できます。木々すれすれのところを、低空飛行することも出来ます。スタジオに戻って撮影したデータをモニターで見ていると、再びパラモーターに乗った気分になります。それくらいGFXの画質は、とても高解像です。
枝に止まった鳥を見つけられるくらいです!GFXの写真を見ていると永久的に拡大表示できるのでは、と思ってしまいます。
5000万画素の写真は、非常にリアルに描写されているので、見る人にも私の飛行を体感してもらえると思います。
パラモーターのもう一つの魅力は視界がとても広いことです。目の前の視界を妨げる要素が一切ないので、GF23mmの超広角レンズを使うにもぴったりでしょう。

冬場は、フライトジャケットと厚い手袋を着用して空へ旅立ちます。そんな姿でもGFXの操作に戸惑うことはありませんでした。シンプルな操作性だから撮影に専念できます。過酷な状況下の心配な撮影でも、GFXは、要望に応えてくれます。大容量バッテリーや防塵・防滴構造も魅力です。霧の中で心配なく撮影できるのはとてもありがたいことです。
私はどこへでもGFXを持って行くでしょう。地上、空、どこでも。GFXは全ての要求に応えてくれるのです。