2015.09.11 FUJIFILM

One lens one story #9

One lens one story, 最終節はXF18mmだ。Xマウントの最初期に出た3本のレンズのうちの1本である。
同時期に発表された、XF35mmとXF60mmのキャラクターに押され不当な評価を押し付けられているようにも見えるが、それらの2本と同じ尺度で判断してはこのレンズの真価を見誤る。
XF18mmは”Snap shooter”のために、”画質と機動性のバランス”を追求したレンズである。
F2という明るさを持ちながらも、フィルター径わずか52mm。レンズ全長は33.7mm。Weight 116g。広角レンズ中、最小サイズというアドバンテージをもっている。
撮影者にとっては、持ち運びに苦労しないというのは、何にも勝るメリットだ。そして、被写体に警戒されるような仰々しさが無い、というのはSnap Shooterには最高の武器になる。小さいということは、”機動性”の原資なのだ。
しかも、最短撮影距離はわずか18cmである。同じパンケーキタイプのXF27mmの34cmと比べると、大きな違いがある。持ち歩くという意味の”機動性”も重要だが、被写体に近づいたり離れたりできるという意味の”機動性”も重要だ。
そして、AFスピードという”機動性”。実はF2より明るいレンズで、XF18mmより速いレンズは今のところ無い。最速条件で0.111秒。(basis on CIPA Standard)実際は、さまざまな要因が絡んでくるのでトップスピードを常に出せるわけではないが、”一番AFが速い、明るいレンズ”ということは覚えておいて損は無いだろう。
たしかに、レンズは”キレイに”写ることが大事である。だがその前に、”写る”という行為が先立つ。
その場所に行けること、その表情に出会えること、そのタイミングを逃さないこと。XFレンズの中に、XF18mmが入っている理由はそこにある。

エピソード10を続けて読む:
One lens one story – エピソード10: XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR