2015.10.08 FUJIFILM

One lens one story #10

One lens one story, 新節開始。Zoomレンズ編だ。

FUJIFILMにかぎらず、レンズ構成図はカタログなど多くの販促物でよく見られる。しかし、それだけを見てレンズの全てを伝えきることは難しいようだ。
そのひとつに、一般的にレンズ構成図はレンズ筐体の中に入っている部分のみが記載される。つまり、最終的に集光するべきImager部分にまで記載されていることは無い。そのため、ミラーレス用のレンズ、X100のような一体型カメラ用のレンズ、そしてミラーボックス部分を持つDSLR用のレンズの間に存在する違いが分かりにくくなっている。
ここで今回のテーマであるXF18-­135mmに戻る。このレンズこそ、レンズ筐体の中に入っているレンズ構成図だけを見ていると、その凄さを見落としてしまう。
XF18-­135mmに類するレンズは競合他社から、何本か出ている。レンズ全長や口径などサイズ感もおおむね同じようだ。しかし、それらは全てDSLR用のものである。
そう、レンズ全長は同じ、だがミラーボックスがないミラーレス用のレンズ。つまり、光学全長は20ミリ以上も短い。そこが、このレンズの凄さだ。
短い光学全長は、カメラシステム全体での取り回しのよさを実現する。マルチパーパスなこのレンズのよさが、そのコンパクトさのおかげで際立つ。そのために、3枚ものASPHレンズが採用されている。
XF18-­135mmは、他のXFレンズとはかなり性格を異にする。陸上競技に例えるならば、他のXFレンズはスプリンターや、砲丸投げの選手だろう。XF18­-135mmはDecathleteだ。何か絶対的な得意分野があるわけではない、しかし苦手領域はない。万能性を、一つの体に閉じ込める。ギリギリのバランスの下に成立するAthleteだ。
しかし、Decathleteも侮れない。Olympic MedalistクラスのDecathleteともなると、National Championの持つRecordを凌駕することもあるのだから。

エピソード11を続けて読む:
One lens one story – エピソード11: XF1.4X TC WR 前編