2019.11.08 Megan Lewis

メーガン・ルイス x X-Pro3

Megan Lewis

オーストラリアで最高の報道写真賞である"Walkley Award(2005)"を受賞したドキュメンタリー写真家・作家。20年以上のキャリアを持ち、現在は富士フイルムのX Ambassadorとしても活動中。ロイター通信社の専属カメラマンとしてキャリアをスタート。Time誌やワシントンポスト、International Tribuneなどに写真を提供していた。 その後、オーストラリアの新聞社に移籍。インドネシアや東ティモールの暴動など国内外の時事を取材。2002年に新聞社を退社してからは、オーストラリアの先住民・Martu族との共同生活を開始する。彼女が執筆した「Conversion with the Mob」は、8年にも及んだプロジェクト。Martu族との生活を経験をもと執筆されたこの本で、上記「Walkley Award」を2005年に受賞。2006年のNikon Photographer Choice Awardsにも選ばれた。彼女の作品はオーストラリアやヨーロッパ各地で展示されている。

X-Pro3を、初めて東京で見たとき、私はこの優れたカメラを開発するビジョンを持った才能ある人々の抑えがたい興奮、情熱、そして献身を感じることができました。

そのときは写真を撮る機会がありませんでしたが、写真を撮るまでもありませんでした。私たちは全員、私たちが手にしているものが特別なものになるとわかりました。

富士フイルムには、フォトグラフィーをその原点に、 – より純粋で、よりリアルなものに戻したいという、本物志向がありました。

X-Pro3 & XF10-24mmF4 R OIS

X-Pro3 & XF10-24mmF4 R OIS

X-Pro3 & XF10-24mmF4 R OIS

この最初の一瞥からわずか数か月で、耐久性のあるチタン仕上げのこのカメラは、デコボコに波打つほこりっぽい悪路を行く私の4x4WDトヨタ トゥループキャリアの助手席で跳ね回っていました。

私は7000kmを超える距離を東から西へと走り、その後2週間足らずでオーストラリア北部へと進みました。私は舗装された道路を離れ、私の小さな道連れである犬のラッティと一緒に、西オーストラリアの奥地を通り抜けようとしていました。

世界の一部と私の生活の一部を手放してから7年が経ち、私は旅の途上にいました。

X-Pro3 & XF10-24mmF4 R OIS

X-Pro3 & XF10-24mmF4 R OIS

X-Pro3 & XF10-24mmF4 R OIS

数日前のこと、路上にいる私には予感がありました…そして悲しいことに一本の電話がかかってきました。私の近親者のひとりが悲劇的な死を迎えました。

人生とはきびしいもので、私を守ってくれる壁になるものは、オーストラリアの奥地にはないに等しいのです。私は、私の近親者たちがこの喪失に立ち向かおうとがんばっていることを知っていました。その場所にいて何らかの方法で彼らのためになれたことはよかったですし、私の写真の仕事など二の次であることもわかっていました。人生とはそうしたものです。

柔軟であることは、この人生というゲームの一部です。そして、あなたに寄り添ってくれるカメラは極上品です。壮大な風景を背景に歩き回り、のんびりし、シンプルな写真を撮ることでこの懐かしい田舎町とのつながりが蘇ります。

X-Pro3 & XF10-24mmF4 R OIS

X-Pro3 & XF10-24mmF4 R OIS

X-Pro3 & XF10-24mmF4 R OIS

X-Pro3ではとても自然な気持ちで写真を撮れます。このカメラの本質はドキュメンタリーにあると感じますが、ドキュメンタリーに限定されることはなく、多用途です。

このカメラは、瞬間と創造的な自己に身を任せる感覚を取り戻しなさいと、教えてくれます。 バックモニターをフィルムシミュレーションの表示に置き換えていることがそうです。昔のフィルム時代のようです。

初めのうちは少しとまどいますが、その巧妙な設計は、実のところ富士フイルムと、フィルム時代の感覚を忘れていない写真家たちによるものです。

実際に画像を確認する必要がある場合は、背面を反転してLCDモニターを見るか、ビューファインダーで再生します。

X-Pro3 & XF10-24mmF4 R OIS

私には、X-Pro3がフィルムカメラ(あるいはその改良版)であるように思えてなりません。フィルムシミュレーションのおかげで、完璧なカラー画像がカメラから直接得られます。

X-Pro3はあたかもフィルムカメラであるかのように動作します。ここには大きな進化のシフトがあることは間違いありません。私は創造への期待でいっぱいです。