2019.10.29 Masami Tanaka

田中雅美がGFX100×ドローンで撮る4K空撮動画

Masami Tanaka

1961年 埼玉県に生まれる
幼少期より写真に興味を持ち18歳の時には自宅に暗室を建て、カラー写真の現像とリバーサルフィルムの現像まで始める。その後、写真学校を卒業しフィルム会社で手焼きに従事。2年で独立しネイチャーフォト全般の撮影を始める。1998年より北緯60度以上の自然撮影を始める。主に、野生動物とオーロラをメインにフィッシュアイから超望遠レンズの両極端の撮影を行っている。新聞は主にフジ産経系列で作品を公開、テレビは、NHK、BS-TBS 日本テレビ、NHK-BSプレミアム等に出演、作品を提供する。雑誌等は、ネイチャー誌や旅行誌、パンフレット、その他多数旅行会社のツアーインストラクターや同行撮影講師を行う。

ラージフォーマットのデジタルカメラを使い出したのは確か今から25年近く前になると思う。
当時はデジタル時代の黎明期で、難解で非常に高価な代物ばかりだった。
そこから、目まぐるしく動く時代と共に機材も猛スピードで進化を遂げていくことになる。
 
GFX
ついにラージフォーマットのデジタルカメラが容易に手の届く時代が来た。
GFX 50シリーズは僕が最も信頼するカメラである。特に50Rはボディー全体を小型化して夜空の撮影などにも使いやすくなったと思う。赤道儀に乗せても無理のない重量で扱いやすい。
何よりレンズ性能がダントツだ。あり得ない実力を持っている。
近景から遠景、宇宙まで、どこまでも貪欲に再現する解像力。
クリアーに夜空を撮る。その世界に携わる人にとってはそれが絶対であり、決して譲れない領域である。
 
GFレンズ群は1億画素も解像させるレンズと言われてきた。その「予告」は非常に楽しみな事でもあったが、
同時に湧き出てくる、得も言われぬ感情。希望なのか、不安なのか…。
そして2019年6月。遂に出てきた、GFX100と言う化け物。
 
すぐに撮影を敢行。
カメラがカメラマンを試している、そう感じさせるカメラだった。
 
このセンサーとレンズでは全てが鮮明に撮れるのは当たり前だ。
イメージする・・・。このカメラで何を撮ったら良いのか・・・。
上空から・・・、出来る限り高度を上げて・・・、動画で・・・、撮る!
結論が出た。
 
GFX100を積めるドローン。選択肢がほとんど無いことは分っていた。
DJIのMatrice 600 Proに積んで撮影に挑む。投入する機材を考えると相当なリスクを伴う。が、やるしかなかった。
 
撮影地は、新潟の河内山塊にほど近い山岳地帯全体で福島県側にある里村。
この村には40年通い続けている。
この地は年間300日程霧が発生する。この霧を、そして広がる木々の風景を上空から狙いたかった。
予備のバッテリーも含め、予想フライト時間は40分前後と計算される。
先ずは、上空からのロケハン。これにバッテリーを1セット使ってしまう。残り2セットで本番撮影。
朝日のタイミングと合わせてGOする。が、予定通り行かないのが世の常だ。
イメージ通りの撮影が出来たのは約30%。霧と太陽とのタイミングが合わない。
最後のバッテリーで勝負をかけた・・・。
ドローンが帰還する。バッテリーの残量はわずか8%だった。
 
予想通りの結果が・・・。
 
スタジオに戻り確認すると、素晴らしいクオリティーの動画データが残されていた。
「カメラに撮らせてもらった」動画だが、山里のイメージ、山岳地帯の大自然と霧の美しさを上空から同時に表現できたと思う。
 
GFX100
ファーストインプレッションどおり、見透かした様に撮り手を試す、憎たらしいカメラだった。

田中 雅美プロフィール

1961年 埼玉県に生まれる
幼少期より写真に興味を持ち18歳の時には自宅に暗室を建て
カラー写真の現像とリバーサルフィルムの現像まで始めるその後、
写真学校を卒業しフィルム会社で手焼きに従事。
2年で独立しネイチャーフォト全般の撮影を始める。
1998年より北緯60度以上の自然撮影を始める。
主に、野生動物とオーロラをメインにフィッシュアイから超望遠レンズの両極端の撮影を行っている。
新聞は主にフジ産経系列で作品を公開、テレビは、NHK、BS-TBS 日本テレビ、NHK-BSプレミアム等に出演、作品を提供する
雑誌等は、ネイチャー誌や旅行誌、パンフレット、その他多数
旅行会社のツアーインストラクターや同行撮影講師を行う。

写真集:
「極北の絶景パノラマ・オーロラ」(河出書房新社)
「極北の彼方」リアルタイム・オーロラ(廣済堂)
山翡翠(クレオ)等
写真展は富士フォトサロンを始めメーカー展や合同展にも参加している。
カナダ観光局、ノースウエスト準州観光局公認の自然写真家。
公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
公益社団法人 日本広告写真家協会(APA)会員。