私がサーキットでいつも使用するのは、X-T3とX-H1である。いずれも優れたオートフォーカスシステムを搭載しているため、スポーツ撮影に適したシリーズだ。
ある日富士フイルムから、被写体が高速で移動するモータースポーツの写真を、X-T200とXF200mmF2の組み合わせで撮影するという課題をもらった。
私は2011年からXシリーズのシステムを使用している。そして光栄にも、スポーツ撮影に最適な最高峰のミラーレスシステムへとXシリーズを進化させることを目的とする、いくつかのテスト撮影に参加してきた。
では今回、X-T3やX-H1のような高性能でカスタマイズ可能なオートフォーカスシステムを持たないX-T200に、私はどんな性能を期待できるだろうか?
その結果は目を見張るものだった。画質は優秀だったが、これは驚くに当たらない。なぜならXシリーズのすべてのカメラは、優れたセンサー技術と色再現を特長としているからだ。
ほとんどの用途において、オートフォーカスシステムは素晴らしい性能を発揮した。しかし最も印象的だったのは、自動車を流し撮りした際に、とても満足のいく写真を撮れたことだ。
確かに、X-T3やX-H1といったスポーツ撮影向きのフラッグシップモデルに比べれば、オートフォーカスシステムにある程度の制約があることは明らかだ。しかし、それは想定の範囲内だ。私はこのカメラに、本来の用途とは異なるシチュエーションでもその性能を発揮することを期待していた。
今回の課題で確認できたのは、動きの激しい画像を撮影するために、プロレベルのXシリーズを使用する必要はない、ということだ。
X-T200は、あらゆる写真家をXシリーズにいざなう最高の入門機である。
X-T200はとても有能な多目的カメラである。卓越した画質、直感的なメニュー、そしてあらゆる種類の撮影を可能にする、幅広いプログラムモードを備える。その一方で、もしも望むなら、完全なマニュアル操作を選ぶこともできる。完全に調整可能な可動式液晶モニターは、カメラを高く(または低く)構える必要がある場合や、自分撮りが求められる場合に、完璧な効果を発揮する。