2017.09.13

XフォトグラファーXyza Cruz Bacaniが語る「私のカメラの使い方」

Xyza Cruz Bacani

フィリピンのストリート・ドキュメンタリー写真家。その素晴らしい作品と鼓舞するストーリー性が注目され、New York Times、Lens BlogやCNNといった国際的なメディアに取り上げられる。Fujifillm Philippinesの大使であり、MAGNUM FOUNDATION HUMAN RIGHTS FELLOWS 2015のメンバーでもある。

ミラーレスカメラを使って写真を撮り始めたのは、3年前のFUJIFILM X-E2に遡る。クラシカルなデザインに惹かれて貯金をして購入したのがきっかけだ。女性写真家として、X-E2の軽くてスタイリッシュなカメラボディはとても魅力的だった。
購入してから1年が経った時、私は富士フイルムのXフォトグラファーの1人となった。私のキャリアでももっとも誇らしい瞬間だ。仕事やプロジェクトで様々な場所へと向かうが、Xシリーズのカメラはいつでもとても頼もしいパートナーだ。

待望の中判カメラを導入するまで、私のメインカメラはX-Pro2だった。現在のメインカメラは、中判カメラのGFX 50S。どんなに大判でも高画質プリントを実現できてしまうのが魅力。私の作品のほとんどは、これまでモノクロだったけど、GFX 50Sを使い始めてから再びカラー写真も好きになってしまった。フィルムメーカーである富士フイルムだからこそ出来てしまう絶妙な色表現は私を惹きつける。最近の作品の大半はGFXで撮ったもの。スナップ撮影にだってGFXを使っている。

その一方で、X100Fはとても小さなボディに多くの機能が凝縮されたカメラ。日常で、街へ出かける時のパートナー。街中で撮影していても、人々は私が持ったこのカメラの存在に気づかない。まるで忍者のよう、すばしっこくって存在を消すのを得意とする。
GFXやXシリーズカメラの多くは防塵・防滴構造。悪天候でも撮影に集中でき写真を楽しめるのでとても良い。
モスクを取材しに日本を訪れた時、X100Fを使って写真を撮っていた。その時気付いたことがある。一眼レフと比べて、このカメラで撮ると人々の表情は和やかになる。良い写真を撮るには被写体と信頼関係を築くことがとても大切。X100Fがコンパクトなおかげで、人々はカメラに対して脅威を感じることもなく、とても親密な写真が撮れた。それに、普段許可されないような場所にも行くことができた。X100Fは、コンパクトで静かで脅威を感じさせないカメラながらも高画質な写真プリントを実現してくれる。