GFX100RF x リー・アン・オルウェイ

2025.03.20

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富士フイルムGFX100RFとザンジバルでのストーリーテリング リー・アン・オルウェイ著 

富士フイルムの新しいGFX100RF中判カメラと共にザンジバルへ向かいました。そこで長期プロジェクト「Mwani(海藻)」を通じて海藻養殖に従事する女性グループを追いました。アフリカ東部のタンザニアの沖に位置するザンジバルは、色と質感の宝庫です。GFX100RFを手に、腰まで海に浸かりながら、潮の満ち引きに合わせて海藻を栽培する女性たちと時間を共にしました。   

これまで「コンパクト」と「軽量」という言葉は、中判カメラと同義ではありませんでした。GFX100RFは常に持ち運ぶことができるほど小型でありながら、完璧なディテールを可能にする中判センサーを備えています。実際に使ってみると、画質は素晴らしく、リアルでありながらシネマティックな豊かさに満ちた鮮明な画像を実感できます。この活気あふれる島を的確に表現する写真を作り出す手助けをしてくれました。 

GFX100RFは、このプロジェクトの新しい1ページにしっかりとフィットし、カメラが持つ多彩な機能によってストーリーを語る新しい方法を探求することができました。写真家とカメラの間には相乗効果があると強く信じています。数字で示すのは難しいですが、何らかのつながりがあるのです。富士フイルムは写真が持つ歴史への敬意を中判カメラの革新と見事に融合させ、美しい最先端カメラGFX100RFを生み出しました。  

コンパクトで、自分に合った機能 

カメラに何を求めるかを考える際、カメラをパートナーとして考えます。美しい物語を伝えたい。そして、よい物語を伝えるために必要なツールを与えてくれるパートナーが必要です。  

コンパクトなGFX100RFのおかげで、新しい環境に足を踏み入れ、通常の中判カメラでは大きすぎて邪魔だと感じる場所にも行けました。GFX100RFを携え、ザンジバルのジャングルを歩き、奥まったマングローブのトンネルを進みました。この島のアイデンティティーや、ここで暮らす沿岸のコミュニティーを深く理解するためです。持ち運びに優れたGFX100RFは、写真やフォトジャーナリズム、ポートレート撮影に適していると感じます。 

GFX100RFの美的品質やデザイン、持ったときの感触にすぐにほれ込みました。このカメラには独自のアイデンティティーがあり、心惹かれます。人と会話をするときも、スッと脇に収まってくれます。人が私を受け入れリラックスしている様子を見せると、カメラを掛けた状態からすぐに撮影に入れます。 

撮影を通じて、埃が舞う砂漠や湿度の高い沿岸地域に至るまで、数多くの場所に行くことができました。つい撮影に没頭してしまうことが多いため、カメラは一日中、埃や泥、雨にさらされた状態です。GFX100RFの防塵防滴のボディとレンズのおかげで、ストーリーを求めてどこへでも行けるような自信を与えてくれます。腰まで水に浸かったり、ジャングルを歩いたりする際も機材を信頼したいし、あらゆる状況に対応できることを実感したいと思っています。そして、GFX100RFはどこでも、様々なストーリーを捉えてくれます。 

ストーリーを語るときには、美しい画像が欲しくなります。私は映像制作の経験があります。シネマティックな画像作成のために興味深い色や質感、光を常に探しています。GFX100RFを使っていくうちに、カメラが持つカラフルな世界に魅了されていきました。富士フイルムは色彩科学をよく理解し、これまでプロビアやベルビア、アクロスなどの象徴的なフィルムを生み出してきました。この歴史を通して、豊かな色彩パレットと肌の色を的確に再現するカメラを作り出してきました。内蔵のフィルムシミュレーションを使用することで、色彩豊かなスタイルを簡単に選択でき、ポストプロダクションの時間を大幅に短縮できます。  

GFXシステムの使いやすさを気に入っています。期待に応えてくれる機材と簡単に操作できるメニューを駆使し、シンプルな作業工程を構築したいと思っています。即座に設定を変更して状況に適応するのにダイヤルが役立ちます。  

たとえば、GFX100RFの上部にある新しいアスペクト比切換ダイヤルはストーリーを語るのに役立つツールです。アナログ写真に魅力を感じてきた私にとって、多彩なカメラフォーマットは思い通りのストーリーを創造するツールとなっています。画像構成を編集で行うのではなく、異なるアスペクト比を活用してカメラ内で実現できるのは大きな利点です。アスペクト比を変更することによって、撮影時に構図を工夫することができます。アナログカメラのアスペクト比や映像のアスペクト比が組み合わさったような機能で、とても気に入っています。これまでの写真と映像の経験を通して知った、ストーリーを語るための最適なツールの組み合わせです。  

劇的な光に惹かれます。影やハイライトを調整して、私の感覚を伝えられる画像を作りたいと考えています。シルエットを写したり、逆光の中で被写体を捉えたりするのに、露出補正ダイヤルが非常に便利でした。 

35mm判で28mm相当の単焦点レンズを搭載し、デジタルテレコンバーターを使用して35mm判で36mm、50mm、63mmの焦点距離で画像を作成することができます(GFレンズ相当では45mm、63mm、80mm)。 

異なる焦点距離によって、ポートレートや風景、アップショットを作成し、プロジェクトを支えるストーリーを構築することができました。 

パートナーとしての参加者 

人を撮影し、彼らが創作に加わる瞬間が好きです。彼らが自らのストーリーを持ち、アイデンティティーを写し出すための手助けをしてくれると、良い作品が生まれます。小型のカメラに対しては自然体でいてくれることが多いため、GFX100RFは家の中などプライベート空間を撮影する際に役立ちます。ひとたび心の壁がなくなると人は自然体になれ、物語は進んでいきます。 

このカメラは物語を捉えるための良きパートナーとなってくれました。フォトジャーナリストとして自分に合ったカメラを探して、それに固執する傾向があります。最適な機能を持っていながらも、つながりに欠けるカメラもあります。手に取ったときに特別なものを感じられるカメラを求めています。機能的であるだけでなくデザイン性に優れ、ストーリーを語る私のアイデンティティーを補完してくれるカメラ。GFX100RFを手にしたとき、美しいデザインと感触に魅了されました。   

私の作品は長い時間をかけて創り上げます。数年を経て同じ場所に戻り、物語がどのように進化するかを見るのが好きです。人や場所は動的で、常に変化しています。その瞬間を見逃したくありません。ストーリーを語ると共に、私自身も成長します。長い時間をかけて築き上げた関係が私のストーリーの礎となります。カメラのブランドに求める要素も同じです。GFX100RFを通じて、富士フイルムは必要な場所に必要なものを届けてくれます。