2017.04.29 Ivan Joshua Loh

GFXは次世代の中判カメラ

Ivan Joshua Loh

Ivan Lohは数々のコンテスト入賞歴を持つシンガポールの写真家である。ひねりの利いた一風変わった写真手法で知られている。ニューヨーク国際写真コンテスト(International Photography Award, New York)、パリ国際写真コンテスト(PX3 Prix de la Photographie)で多数の賞を受賞しており、最近では2013年写真マスターズカップ(Photography Masters Cup)で第3位に入賞した。Ivanが写真を撮り始めたのは10代の頃。父のNIKON一眼レフカメラで始めた。以来、今日に至るまで撮影を続けている。
Ivanは多数の法人顧客のキャンペーン写真を撮影してきた。以下は顧客の例である。
シンガポール航空、MTVアジア、ナイキ、南洋理工大学(NTU)、チュアス電力、アリアンツ保険、マニュライフ保険、HSBC保険、DHL、TNT、ユナイテッドオーバーシーズ銀行(UOB)、CAAS、ヒルトングループ、インターコンチネンタルホテルグループ、ラッフルズホテル、ディアジオ、エンブラエル、カールソン、タタコミュニケーションズ、シンガポール住宅開発局(HDB)、クラークキー、FMラジオ局(HOT FM 91.3、KISS 92FM、JIA 88.3、 POWER 98)、チャイムス
雑誌記事用写真も手掛けており、これまでに”Conde Nast Traveller”、”Home+Living”、”Her World”、”Cleo”、”Seventeen”、”FHM”、”Parents World”、”Home & Decor”などの雑誌に採用された。このほか、”Asian Photography”、”Digital Photography(英国)”などの国際的な雑誌への掲載実績もある。

GFX 50Sを使った撮影は、実に新鮮な気分だ。過去20年間、中判カメラを撮影に使ってきた。Mamiyaから始まり、ハッセルブラッドで初めてデジタルに移行して、最後はLEAFのデジタルバックを使ったPhase Oneへと辿り着いた。いずれのカメラも申し分なく素晴らしい仕事をしてくれる。画質はとても素晴らしい。唯一の問題点は、カメラのサイズと重さ。大きすぎて仕事以外では使う気になれなかったのだ。中判を仕事以外で使おうなんて考えもしなかった。
GFXは私の中判カメラへの情熱を再燃させた。
中判を使う主な理由は、なんといっても画質。高性能なフジノンレンズも相まって、GFXの画質は他の中判カメラと比較してもとても美しい。さらにGFXはどんな撮影スタイルにも対応できる汎用性を兼ね備えている。商業写真や、ファッション、婚礼、トラベルはもちろん、ルポを撮る写真家でもGFXでの撮影に不自由を感じないだろう。ストリートでこのカメラを使っても大丈夫だ!カメラは軽いし、AFも高速なんだ。

ディテールは驚異的。ハイライトからシャドーへのトーンがとても美しく滑らか。

男性とニワトリの写真を見てほしい。この写真は、カメラ撮って出しのJPGファイルだ。シンガポールで開かれたGFXの発表イベントで、撮影した一枚。その現場にあった光源は、Broncolor Siros 800と133 Paraだけ。とても滑らかで美しいトーンで表現されている。男性が着るジャケットにもモアレがないし、ディテールは驚異的だ。

GFXは次世代の中判カメラ

私が、富士フイルムのXシリーズを好む理由の1つにフィルムシミューレションがある。フィルムシミュレーションはもちろんGFXにも搭載されている。それに、GFXのフォーカスは速い。私が言うことを信じるのではなくて実際に試してほしい。フォーカスポイントは400以上。中判の世界ではありえない数字だ。スチルライフやファッション、ストリートを撮る写真家にとってとても便利な機能だ
GFXは、私にとって究極なカメラとも言える。手にした感触はとても良いし、サイズは、DSLRと同じくらいか、ハイエンドのDSLRより少し小さいくらい。このカメラは軽いし、フォーカスも速い。ワークフローはとても単純明快で、画質は抜群に良い。もし、GFXを試す機会があるのならば、あなたもきっと「GFXは次世代の中判カメラ」と思うことだろう。