私は過去に何度も広角レンズに惚れては冷め、惚れては冷めを繰り返していました。もちろん創作のためであり、仕事によっては広角を使用することが必ずしも正しいとは限らなかったからです。ここ数年、私はポートレート写真家や商業写真家として活動してきました。アーティスト、パフォーマー、アスリートなどを撮影していましたが、常に新しい切り口を探っています。ユニークな視点を見つけるために様々な方向からアプローチするには、選択肢が多ければ多いほど助かります。
GFX100S & GF20-35mmF4 R WR
私の作品にとって背景（コンテクスト）はとても重要です。自分を取り囲むものを使って作品の構図を決め、制作するのが好きです。撮影地は私にインスピレーションを与えてくれるので、それをポートレートに写すことができる広角レンズは必須でした。FUJIFILM GFX100sと共に、最低でも30mmをいつも持ち歩いていましたが、より柔軟に、より広く撮れるレンズがあればと思っていました。
遂にGF 20-35mmのレンズの登場です！
GFX100S & GF20-35mmF4 R WR
広角レンズは全く新しい世界をもたらしてくれます。被写体に近づき、 撮影の中心に立ち、被写体を取り囲む世界を表現し、撮影場所の特性を生かすことができる。このレンズは環境ポートレートを撮影する人にとって必須だと思います。GF20-35mm一本でダンスアーバンの撮影を行ったこともあります。
GFXのラインアップにGF23mmがありますが、このズームレンズはもう一歩先まで届きます。それほど大きい差とは思わないかもしれませんが、20mmでは格段に情報量が増えます。また、狭い場所での撮影も可能です。20mmから35mmまで使えるこの汎用性の高さは、まさに私が求めていた、様々なシチュエーションに対応できるレンズです。
GFX100S & GF20-35mmF4 R WR
20mmの情報量の多さは、時に圧迫感を感じることがあります。このようなレンズで撮影するのはなかなか難しく、特にローアングルから狙うのが大変です。この場合、私は歪みを上手く利用することを選びました。また、ほとんどのダンサーは脚が少し長いように見える写真を好むようです。
このレンズはGFX100Sの100MPと相性が良いです。フレアは抑制されており、ゴーストも今のところ発生していません。レンズの切れ味がよく、とても質の良い写真を制作できます。このレンズが大判カメラ用に作られたことを考えると、大きすぎず、他のラインアップと比べても浮いた印象はありません。角型や円形のフィルターを使用しましたが、標準サイズであるφ82mmのフィルターやアダプターが使えたのが嬉しかったです。
GFX100S & GF20-35mmF4 R WR
インナーズームシステムを採用したのは賢明な判断でした。見た通りの大きさです。ズームが伸びたり縮んだりするのはあまり好きではありません。焦点距離を変えるたびにズーム自体が動くより、すべて内側でスムーズに完結して欲しいと感じていました。
GFXライン用のレンズとして最低限期待できる、しっかりとした作りと頑丈さを備えています。塵や水を弾くフッ素コーティンが施されているので防塵防滴性能があります。雨の中、湖の近く、滝など、屋外で何度も撮影を行いましたが、ギアに信頼感がないとできません。GF20-35mmはどんな厳しい環境にも耐えることのできる、期待の裏切らないレンズです。
以前は、あまり使用しなかった時期でも広角レンズを常備していました。ここ数ヶ月は撮影中少なくとも一回は使うようになりました。このレンズはより多くの可能性を秘めているので、間違えなく使う頻度は増えるでしょう。
個人的にはこの写真の写りをとても気に入っていますが、万人受けでないことは承知しています。しかし、機会があればぜひ試してみてください！一人の客として、このレンズは多種多様なショットを可能にすると感じています。GF20-35mmは撮影した環境や被写体を写しながら、雰囲気も表現してくれます。映画でいうところのエスタブリッシング・ショットのようなものです。
GFX100S & GF20-35mmF4 R WR
ダンサーやアスリートとの撮影時に追い求めるのは現実離れした風合いです。場の建物やあらゆる造形を取り入れたい。イメージの一部を誇張し、遠近法で演出し、被写体を力強く、英雄のように魅せたいのです。驚くことに、全てがこのレンズで、カメラの中で完結してしまいます。
いつかこのようなレンズが富士フイルムのラインアップに加わることを望んでいましたが…それが実現しました。このレンズを手にした瞬間、間違いなく私の一軍レンズの仲間入りをするだろうと直感しました。
GFX100S & GF20-35mmF4 R WR