2019.11.08

Different Breed: ウティメット・ブンヤシリシス x X-Pro3

旅をすると必ず、私は、自然、人々、そして暮らしの絶え間ない変化、その無限の美しさに遭遇する。これらの貴重な思い出を、情熱を込めてカメラで保存すること。私に必要なのはそれだけだ。

私とX-Pro3の、今回の旅の目的地はチェンマイとチェンライだ。タイ北部にあるこれら2つの州では、山々と人々の暮らしが調和している。自然に回帰する旅路を、レトロなフィルムカメラのようなX-Pro3とともにたどる。FUJIのネガフィルムで撮るのと同じように撮ると私は決めた。なぜなら、X-Pro3はタイムマシンさながら、過去へ遡る感覚を与えてくれるからだ。

この旅の最初の目的地はドイインタノン。タイの最高峰である。変化に富んだ美しさに溢れているが、なかでも「アンカ」の魅力が最高だった。ここにはネイチャーハイキングのコースがあり、30分ないし60分の健康的なウォーキングができる。最初のアクセスは簡単だが、先へ進むとうっそうとした古木群に囲まれる。特に雨季は、人が最も自然のめぐみを受ける時だ。そして旅人は、ドイインタノンのユニークな環境に圧倒される。

暗緑色の森の中心に近づくと、光は地面に届かなくなる。私は魅力的なシーンをつくるために人工照明を使うことにした。加えて、最新のフィルムシミュレーションである「CLASSIC Neg.」を選んだ。暗部のディテールとブリリアントな緑色、あの「FUJIFILM」の特性がよみがえる。

森の中には、小さな隠れ場所、「ボーケオ」の松林がある。美しくロマンチックな周辺の景色が旅人たちを歓迎してくれる。

森から出て、カフェで有名な古都「チェンマイ」に行く。午前中、大河「メーピン」の河畔にいたが、光のあたたかさはX-Pro3のHDRにとって理想的で、後処理は必要なかった。

有名ではあるが人が訪れるのはまれなチェンライの「ドーイパーヒ」まで、旅は続いた。地元の部族であるアカ族が、彼らの丘につつましく暮らしている。彼らのコーヒー豆の質の高さは、コーヒー業界を震撼させるだろう。

最後に、X-Pro3の特長として、カメラ機能の多重露出を挙げておきたい。アカ族の銀色の衣装と彼らの村の景色のコンビネーションは本当に見事だ。