2019.11.15 Stefan Finger

Different Breed: ステファン・フィンガー x X-Pro3

Stefan Finger

1983年生まれ。デュッセルドルフとハノーバーを拠点に活動する写真家。
政治学と社会学で学士号を取得後、Political Communicationで修士号を取得。卒論は、写真の影響についてだった。学生時代、フリーランスの写真家兼ライターとして新聞社や通信社と仕事をした。2011年に、フォトジャーナリズムとドキュメンタリー写真について学ぶ。その期間、Frankfurter Allgemeine Zeitungでインターンを務める。
現在は、社会問題を取り上げた長期プロジェクトを掲げ、世界中を駆け巡っている。フィリピンのゴミ捨て場に住む人々に焦点をあてた記事では、CNNの”Journalist of the Year”や、”Mediaprice of the Kindernothilife”にノミネートされた。
2014年に、Insa Hagemannと共同で敢行したプロジェクト”Wanna Have Love? -Consequences of Sex Tourism”では、権威あるUNICEF Photo of the Year Awardを獲得。Schömbeger Fotoherbstは、Alfred Fried Awardに選出された。フォトエージェンシー laifに所属している。

私はフォトジャーナリストでありウェディング・フォトグラファーだ。私はフォトジャーナリズム的なやり方で結婚式の写真を撮るのが好きだ。このようなときに大いに役立つのが、X-Pro3だ。X-Pro3は軽くて小さく、音がほとんどしない。私はその場の雰囲気を台無しにしたくない。なぜなら私は写真家としてそこにいるからだ(私が存在することによって、状況をこわしたり、影響を与えたりしたくない)。このカメラは、可能な限り私を目立たなくしてくれる。もちろん忘れてはならないのが、X-Pro3の画質とダイナミックレンジ、そしてISO感度が非常に優秀だということだ。これらは、私の要求を満たすカメラが必ず有していなければならない機能だ。

正直に言うと、背面の小さな液晶ディスプレイを初めて見たとき、私はこう思った。「これは何の役に立つんだ?」しかし、このカメラを1か月ほど使った今、このスクリーンがないと困ると思うようになった。あと何枚の画像を撮れるかや、バッテリー交換が必要かを確認するために、カメラのスイッチをオンにする必要がない。とても役立つし、時間の節約にもなる。

X-Pro3の前は、結婚式の撮影とフォトジャーナリズムにX-T3とX-Pro2を使用していた。X-Pro2の見た目はとてもすばらしく、私の手によく馴染み、撮影するのが楽しい。一方でX-T3も使用した。これも非常に良いカメラであることに疑いはない。私にとっては、X-Proシリーズのほうが相性がいい。それでも私がX-T3を使うのは、チルト式のスクリーンがあること、そしてセンサーが優れていることが理由だ。今度のX-Pro3にも、チルト式の液晶ディスプレイが搭載されている。ローアングルでの撮影や、写真を撮られることに居心地の悪さを感じる人たちのポートレートを撮影するときに、このスクリーンはとても役立つ。

私が結婚式を撮るのは、信じられないほどに楽しいからだ。ウェディング・フォトグラファーである私が提供するサービスは、プライベートな色彩が非常に強い。私は、新郎新婦のごく間近に身を置く。他にその場にいるのはせいぜい、花嫁と花婿と付添人、そして両親くらいだろう。ウェディングドレスを着たときにファスナーがこわれてしまう。花婿がその日初めて、花嫁の姿を目にする。花嫁が結婚式の後、ブライダルブーケから一輪の花を取り、亡くなった父親の墓の上に置く。このような場面に私は立ち会うのだ。私の存在のせいで何かを妨げたり変えたりすることなく、自分のカメラで、その状況をありのままに記録したい。改良された電子ビューファインダーはとても役立つ。写真がどのように見えるかを直接確認できるため、写真の構成に磨きをかけることができる。またすべての露出が適切かどうかや、見え方が私のイメージ通りかどうかを確かめるために、スクリーンを見続ける必要がない。写真の見え方を、ビューファインダーを通して正確に把握することができる。その結果、カメラの技術に振り回されることなく、新郎新婦にさらに近づくことができ、彼らの要望にもこれまで以上に応えられるようになった。

X-Pro3は、私の完璧な相棒となった。私の仕事に必要なすべてが、一つのボディに詰め込まれている。卓越した画質はもちろん、静粛性も完璧で、チタンボディによって耐久性も実現されている。レスポンスも速い。技術的な問題に煩わされることなく、必要な機能がすぐに使える。私の手にぴったり収まるだけでなく、物の見方を一新してくれる感じだ。

富士フイルムのシステムのおかげで、私の写真撮影はさらに楽しくなる。他のどのカメラメーカーも、これほどの楽しさは実現できないだろう。