2018.11.29

Capture One x GFX - 物撮りから人物撮影まで

ドイツ・ケルンで開かれたフォトキナで、富士フイルムとPhase Oneは、Capture OneのFUJIFILM GFXサポート対応を発表した。Phase One社以外の中判カメラをサポート対象とするのはGFXシステムが初のことである。

テザー撮影においてCapture Oneは、どのソフトよりも優れたソリューションだと常々感じていた。GFXシステムにもこのオプションが加わったことはとても喜ばしいことだ。
元々、私は自然光を生かした撮影を得意とするストリートフォトグラファー。なので、スタジオ環境でテザリングを必要とする機会は滅多になかった。しかし、ここ数年、富士フイルムにカメラやレンズの製品カットを提供するようになり、必然的にテザリングも使う頻度も増えてきた。テザー撮影の最大の魅力は、瞬時に大画面モニターで撮影イメージのチェックができること。EVFや背面モニターだと、見逃してしまう甘いピントや露出を撮影時に確認できるのは大きなメリットだ。撮影後の編集作業も大幅に軽減することができる。

GFXシステムにも、これまでもいくつかのテザー撮影のオプションは用意されていた。しかし、いずれのワークフローも効率を考えた時にベストなソリューションとは言い難いものだった。これにCapture Oneが追加されたので、状況はガラッと変わる。
実際にカメラを繋げてみることで、どれだけCapture Oneでのテザー撮影が簡単なのかきっと分かってもらえるだろう。

  1. カメラの接続設定メニューよりで「PC接続モード」を「USB テザー撮影自動」に設定する
  2. カメラの電源を切り、カメラとコンピュータをケーブルで繋げる
  3. Capture Oneを立ち上がて、カメラの電源を入れる

たったこれだけだ。これでテザー撮影の準備が整った。普段通りにカメラのシャッターを切って撮影しても良いし、ソフト側からトリガーを発信してシャッターを切ることもできる。

富士フイルム社向けにプロダクトカットを撮影する時は、常にRAWとJPEGで記録するようにしている。しかし実際は、撮って出しでも良い仕上がりなので、JPEG画像を直に編集するのがほとんどだ。「時は金なり」と言うだろう?JPEGを使うことでポストプロダクションに費やす時間を大幅に削減することができるんだ。このプロダクトカットでは、PRO Neg.HiもしくはPRO Neg. Stdで撮っている。

最新のCapture One 12ではフィルムシミュレーションにも対応された。RAWで撮影しても、Film SimulationをCapture One内で適用することが可能になった。

  1. 基本特性ツールを開く
  2. 好きなFilm SimulationをCurveから選択し適用する

Capture Oneの開発チームは膨大な時間を掛けてCapture One内のフィルムシミュレーションをカメラ内のフィルムシミュレーションに近づける努力をしたのだと思う。事実、その仕上がりは素晴らしい。富士フイルム独自のテクノロジーであるカラー・サイエンスがCapture Oneのフィルムシミュレーションにも注ぎ込まれている。

Capture Oneにある数多くのツールの中でも、格別に優れているのがマスキング機能。フォトショップのようにレイヤーを重ねることができる。これのおかげであらゆる要素を、画像細部に分解して調整が可能になる。

写真はバックグランドに置かれていて、その上に必要な調整を重ねていくイメージだ。写真の一部分だけを調整することも、もちろん可能。しかも、作業もとても簡単だ。

  1. レイヤーツールを開く
  2. 使いたいツールを選ぶ(ブラシ、Radial Grad、Linear Grad、消去)
  3. +ボタンを押してレイヤーを追加する
  4. マスクを描く

レイヤー機能のおかげで、選択したそのレイヤー・マスクだけに効果が適用される。
更にCapture One 12では「Luma Range…」ボタンが追加された。マスクにルミナンスの値を適用することが可能になった。スキントーンや目のレタッチをする時にとても役立つツールだ。

私が紹介した上の3つの機能に限らずCapture One 12は、多くの機能を兼ね備えている。ここで紹介していることはベーシックなこと。これをベースに応用してもらうとCapture Oneがよりパワフルなツールになるだろう。中判カメラを含む全ての富士フイルムのカメラがサポート対象になったことで、Capture Oneは間違いなく今市場にあるベストなポスト・プロダクションソフトだ。

Capture One 12をダウンロード

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