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2019.01.08 Robert Eliasson

Azúcar Crudo(アスーカル・クルード)

Robert Eliasson

スウェーデン出身の写真家。幼少時代を過ごしたエチオピアを2007年に訪問したことがきっかけで写真を撮り始めた。2009年にキューバを訪問。現地の人々の暮らしを捉えた「Azúcar Crudo」を始動。

彼の作品は、LFI、SvD、GRAMA、Canon Professional Networkなどで発表される。2018年には、キューバのLa Fábrica De Arte CubanoやスウェーデンのLydmarで展示された。

Robert Eliassonがキューバで撮った写真を見てまず感じるのは、被写体との距離の近さ。本当に近距離から撮影している。

GFX 50S & GF23mmF4 R LM WR

この近さが、彼とキューバの密な関係を象徴している。過去十年間、年に数回現地を訪ねているのだ。キューバに惹きつけられたきっかけは、2009年に視聴したハバナのバーで撮影されたテレビCM。情熱的な空気とビビットな色、多くの人が惹きつけられたように、彼もそのキューバが有する独特な空間の虜になった。コマーシャルを見た一週間後には、キューバへと旅立っていた。

GFX 50S & GF32-64mmF4 R LM WR

多くの訪問者と同じように、彼は時間が止まった首都ハバナの外観、色に魅了された。ただし、この国にはそれ以上に探求することがあることに彼は気付く。往年のアメリカのクラシックカー、コロニアル建造物、交差する人々の大きな笑顔だけがキューバの魅力ではない。彼の中で最も印象的だったのは、キューバ人の暖かさ。彼らに魅了され、会いたくなり、それからの10年、この国を幾度ともなく訪れた。その都度、現地の人々と交流をはかり、自身のプロジェクト「Azúcar Crudo」が形成された。

GFX 50S & GF32-64mmF4 R LM WR

LFI誌の最近のインタビューで、彼はキューバ人の典型的な一日を次のように語っている。

「トイレットペーパーの調達から、食卓への食料配給までの物流的な戦い。通勤は常に悩みの種、なぜならガソリンが蔓延的に不足しており、ちょっとした用事でも数時間かかってしまう。牛肉や魚は高価で買えず、ほとんどの人は米、豆、鶏肉と豚肉だけで暮らしている。観光業が国の主な産業なので、観光客のニーズが優先されてしまう。2タイプの通貨が流通しており、米ドルに換金が可能なコンバーチブル・ペソ(CUC)と価値の低い国内限定のキューバ・ペソがある。よって、プライベートセクターと政府の収入に大きなギャップが生じている。大学教授がタクシードライバーだったり、医者がバーテンダーを兼業しているのは珍しい光景ではない。」

この厳しい環境で、お互いを助け合いながら暮らしていく人々の姿を彼の写真は写し出している。

GFX 50S & GF32-64mmF4 R LM WR

ロバートの作品の多くは、キューバの生活の質感を捉えている。崩れかけた壁、壊れた鏡、壮大な植民地時代のファサードを背景に、キューバ人は日常生活を送っている。 蛍光色の髪ゴムを付けた少女がカメラをのぞき込む瞬間、16歳のときにフィデル・カストロの護衛の一員だった年配の男性が葉巻に火をつけているワンカット、緑豊かな植生に囲まれたスラットの木製の壁でタイル張りのポーチを横切ってフープを押す少年など。

GFX 50S & GF32-64mmF4 R LM WR

一つ一つの写真は、その生きた瞬間を捉えており、その後どうなったのか気になってしまう。その次のカットはどんなシーンだったのだろう?その後は?アスペクト比65:24のパノラマ撮影は、ビューアの気持ちを高める。横に広がるイメージは、被写体の前・背景がしっかり捉えており、幾つものレイヤーになった光と影のストーリーを物語ってくるのだ。なぜなら広がるイメージは我々の創造をも広めてくれるから。

GFX 50S & GF32-64mmF4 R LM WR

写真に映った人々はレンズを見ていようといなくとも、ロバートを信頼していることが伺える。ロバートやカメラの存在を気にせずに普段通りの自然な表情が垣間見えるからだ。ロバートは、キューバに多くの友人がいるのだろう。そして、彼らはロバートを彼らの生活に迎え入れてくれている。それは、時間だけが築ける信頼があるからできることだ。毎年同じ場所を訪れ、キューバとその地に暮らす人々を彼の一部に取り込み、より強靭な信頼関係を築き上げる。モデルの人々に敬意を払い、情熱を持つ写真家だから撮れる写真だ。表面的なキューバを捉えているのではなく、キューバの内面的な感情までもを映し出す写真をロバートは撮っている。

GFX 50S & GF32-64mmF4 R LM WR

GFX 50S & GF32-64mmF4 R LM WR

GFX 50S & GF32-64mmF4 R LM WR

GFX 50S & GF32-64mmF4 R LM WR

※2018年、GFX 50SとGF23mmF4 R LM WR、GF32-64mmF4 R LM WRを持ってキューバへと旅立った。その感想を聞いてみると彼はこう言った「昔に戻ったみたいに感じた!すごいカメラだよ!中判フォーマットだけど、35mmカメラのように扱える。大きくもないし、重くもない。嬉しいサプライズだった。それに、高温、高湿度、雨やハリケーン・イルマの直撃など過酷な環境下でも撮影を続けることができた。みんなも試してみるといい!」

テキスト: Charlene Winfred