2022.07.15

All the Right Moves

スケーターであり映画監督でもあるジャスミン・キノネスが、ラン&ガンスタイルの作品制作におけるFUJIFILM X-H2Sの強みを語ってくれました。

「良い機材」とはある特定の目的のために設計された機材を指します。目の前にある仕事のために作られて、その目的にしっかりと応える。ドライバーからトーチ、シュノーケル、ドリル、スケートボード、そしてもちろんカメラまで、ほぼ全てのガジェットに当てはまります。

スケートボードに夢中になって育った彼女は、やがて映画制作やストーリーテリングにも魅力を感じ、それらを組み合わせるようになりました。ボウルに落ちたり、手すりをすり抜けたり、遊歩道を走ったりするための道具と、その動きを撮影して、成功や失敗の感情を表現するための道具と、どちらも必要だったのです。

もちろん、全てのスケートボードやカメラが同様という訳でもありませんが、ジャスミンがトリック用にキックテール付きのショートボードを選び、クルージング用にロングボードを選ぶように、彼女のカメラ選びも仕事のニーズによって決まるのです。そして、彼女の美しい新作ショートフィルム『Push』を撮影する際、彼女は文字通り「撮影についていけるカメラ」を必要としていました。

Photo 2022 © Jasmine Quinones

「プロジェクトを通して、小型で軽量なカメラが必要でした。」
「基本的に手持ちか軽量ジンバルで撮影をしているので、グリップの効いたボディが必要だったのです。これはX-H2Sの大きな特徴の1つでもあります。撮影監督のイアンと一緒に、走ったり、スケートボードに乗ったり、時には電動アシスト自転車に乗りながら撮影を行いました。例えば片手撮影であっても、どんな状況でも簡単に操作することができるカメラでした。」

Photo 2022 © Jasmine Quinones

ジャスミンは、このような自由なドキュメンタリースタイルで度々作品を制作しています。このスタイルは彼女が最初に映像にインスピレーションを受けた時のことを思い起こさせます。
「元々、自分を表現する方法として映像を作ることが好きで、作品をYouTubeにランダムにアップロードしていました。」
「でも、本当にクリエイティブな世界に引き込まれたきっかけは、ラン&ガンスタイルのドキュメンタリーでした。私が幼い頃から見てきたものですが、そういったスタイルのミュージックビデオやプロモーションビデオに新鮮さを感じたのです。高度に制作されたものではなく、エネルギッシュで巧みに撮影され、スタイリッシュに編集されたショートフィルムを撮りたかったんです。」

Photo 2022 © Jasmine Quinones

これは、彼女が幼少期に夢中になったスケートとそれに関するビデオの思い出に起因しています。
「そのビデオは何千回と見ているはずで、それを『Push』で再現したいと思いました。映像制作とスケートボードは密接にリンクしています。ほとんどのスケーターが自分自身を撮影していますが、私たちスケーターの撮影スタイルは他のスポーツのそれとも異なります。トリックに100回挑戦したり、奇抜なスポットを滑ったりしますが、最終的に成功したら、それを自分の目で確かめたいし、他の人にも見てもらいたい。その進歩の感覚こそがゴールなのです。」

Photo 2022 © Jasmine Quinones

『Push』の撮影の中で、彼女はX-H2Sのボディ内手ブレ補正(IBIS)を試したがっていました。
「安定性を得るためにジンバル等を装着してカメラを重くすることはせず、基本的にはIBISを使用して、非常に滑らかなトラッキング映像が必要な時だけジンバルを使用しました。イアンと私が公園でスケーターを追って走り回っているとき、IBISは本当に役に立ちました。7段分の手ブレ補正効果があるため手持ち撮影が可能で、より軽量に持ち運べますし、映像も人工的な滑らかさではなく、非常にクリアなものでした。手持ち撮影をすることで、撮影中に何が起こっているのか、より身近に感じられるようになりました。」

Photo 2022 © Jasmine Quinones

また、X-H2Sのダイナミックレンジの広さや、映像の色深度にも感動したと言います。
「正直なところ、スケートパークのシーンでは光の強さが気になったんです。しかし、X-H2Sは内部でApple ProRes記録が可能なため、問題にはなりませんでした。4:2:2 10bitの映像は素晴らしく、グレーディングの際も非常に美しく反応してくれて、ハイライトもシャドーも何一つ失わずに済みました。」

Photo 2022 © Jasmine Quinones

X-H2Sのもうひとつの特徴は、さまざまな4Kモードに加えて、最大6.2Kの29.97pでの撮影が可能なことです。
「『Push』では、4Kの60p、24pを使用し、さらにスローモーションでは120pのハイスピードで撮影をしました。その映像は驚くべきものでした。同じ解像度でこのような柔軟性があれば、ワークフローが非常に楽になります。また、5時間直射日光の下で作業したにもかかわらず、X-H2Sがオーバーヒートする気配を見せなかったことも印象的でした。今回は冷却ファンアクセサリのFAN-001を使う必要がありませんでしたが、そういった選択肢があることは素晴らしいことですね。」

Photo 2022 © Jasmine Quinones

「6.2Kモードもぜひ試してみたかったんです。」
「カメラを動かしたり、映像を拡大することなく、シーンに入り込んだり、ズームアウトしたりすることができる便利な機能です。解像度が高いので、これらのシーンを4Kのタイムラインに配置し、縮小したり、そのままフレームをパンしたり、引き伸ばしたりしても、画質を落とすことなく使用することができます。」

Photo 2022 © Jasmine Quinones

スケーターのように動きの激しい被写体には、X-H2Sの優れたオートフォーカス性能も威力を発揮しました。
「スケートパークや移動中のシーンでは、ほぼ常に被写体追尾を使用していました。」
「すべてがかなり速く通り過ぎる中で、トラッキングがとてもうまくいきました。今まで使っていたものより、100万倍も優れています!」

Photo 2022 © Jasmine Quinones

「これらの理由から、FUJIFILM X-H2Sは映像制作者にとって究極の軽量カメラと言えるかもしれません。」
「このカメラは、『Push』のような撮影プロジェクトに必要な機能を全て備えており、さらにそれ以上の性能をも備えています。素晴らしい結果を得るために装備を整える必要はなく、ハンドリングとワークフローの柔軟性は最高でした。YouTubeやショートフィルム、小規模なコマーシャルコンテンツでは、今後間違いなく私のメインカメラになるでしょう。」

Photo 2022 © Jasmine Quinones

「スケートパークで行ったように、カメラをここまでタフに使えるというのは撮影者を自由にします。スクリーンや外部レコーダーなしでProRes 422モードが使えることはもちろん、他の様々な収録関連の外部アクセサリーを装着することも可能です。フリーランスや商業コンテンツのクリエイターがアップグレードするための完璧なツールと言えるでしょう。」

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