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Robert Falconer
言葉を紡ぐにしても、イメージを作るにしても、ストーリーテラーと呼んでもらってよいだろう。より具体的に言えば、ライターでもあり、コンテンツプロデューサーでもあり、写真家でもある私は多分野に亘るコミュニケーションの専門家である。プロとしてのキャリアの第一歩は、 Star Trek: The Next Generationとそのスピンオフなどのテレビ番組の脚本執筆と売り込みだった。最近では、ビジネス、メディア、ジャーナリズムなどに力を注ぎ、長年に亘り、Metro NewsやNational Geographic Channelなどの会社と仕事をしてきた。
20年以上の経験を持つカメラマンでもある。被写体は多岐に亘り、アフリカの雄大な大地に投げかけられた影から、大都市の喧騒、著名人や企業トップのポートレート、日々の生活の情景などを撮影してきた。私の取り組みは主にポートレート、旅行、編集業務であるが、映像や映画写真(映画やテレビ用のスチル写真)に特化しつつある。スクリーンライターとしてのスタートのおかげで視覚的に書くことが必要だったことを考慮すると、ある意味では、この特定のニッチな映像分野で私は原点に戻ったことになる。
富士フイルムのカメラとの出会いは、最初のX100を購入してアフリカへ行った2011年のことだった。私は、小型軽量で人目に付かないが、優れた写真が撮れるカメラを求めていた。純粋に、X100 の画像の質には驚かされた。
その後まもなく、X-Pro 1 を私の機材に加えた。X-Transセンサーは、言葉で表現しにくいフィルムのような有機的な質感を備えたすてきな画像を作り出す。これは全体的な鋭敏さと演色がフィルムの時代(いずれにしろ35mmフィルム)に比べて遙かに向上したためである。素晴らしいXF35mmF1.4 Rレンズと組み合わせると、このコンビネーションのおかげでお気に入りの映像を作り出すことができた。
最近では、X-T1 GSEとXF 56mmF1.2 Rレンズを手に入れた。X-Transセンサーの優れたローライトパフォーマンスと組み合わせると、 X-T1の大きくて鮮明なビューファインダーと新型のサイレントなシャッターは、以前ならばほとんど不可能な場所での撮影を可能としてくれる。
富士フイルムの、長年にわたり世界で最も高く評価されたフィルムを製造し、さまざまな商業用およびコンシューマ用のすぐれた光学製品を製造してきた経験により、真にイノベーティブな思考にたどりついたのは、明らかである。これはまた、デジタルカメラ開発へとつながった。
富士フイルムのクラシックなX シリーズデザインが私に語りかけてくるのだ; カメラが、プラスチックの塊ではなく、カメラらしい形をしていた時代を思い起こしている。多くの写真家が言うとおり、カメラの美しさは、エルゴノミックスのように感動的で刺激的であることが多い。私は「レトロ」という言葉を使わない。私にとって、良いデザインとは、良いデザインに過ぎない。近代の精神と機能性を兼ね備えている時はなおさらである。カメラがより楽に、正確かつ楽しくビジョンを実現すればするほど、装置としてのその価値は高まる。
ささいな欠点はさておき、私の考えでは、富士フイルムは、これを素晴らしいものに仕上げた。継続的な改善の精神は称賛に値する。
次にどのような製品が出てくるのか、待ち切れない気持ちである。