カメラに限らず一般消費者向けの商品には原則として「広告」が必要となる。
広告がなければ消費者はその商品の存在に気付けないからだ。
そして、消費者はその広告原稿から商品の性能、ターゲットユーザー、作り手の想いなどを汲み取り、それが自分に適している商品なのかどうかを見極める。
カメラ誌広告の場合、そこからカメラの何が分かるだろう?画質がわかるだろうか?否である。
解像度は主に印刷の線数次第だし、色再現もインクや紙質で大きく変化する。
昨今広告の主流となっているWeb広告とて同様である。
どんなスクリーンで観るかによって良くも悪くもなる。
ましてやAF性能や連写性能など、機械的な要素は文字情報で知るのみで、体感することは出来ない。
Xシリーズの広告原稿を制作する際、最も気にしているのは「世界観」だ。
正直に言えば、読者が広告ページを見てもらえる時間は少ないだろうと思っている。
ましてやそこにあるキャッチコピーやメッセージをしっかり読んでくれることは稀である。
だからこそ写真が大切だ。なぜなら「このカメラならこんな写真が撮れるのか!」と一発でメッセージを送ることが出来るから。
この写真展に並んだ作品たちは、そういう「重責」を担って世に発表されたものばかりだ。
残念ながら誌面では伝わりきらなかったこれらの作品の本当の魅力を是非オリジナルプリントで体感して欲しい。