シリーズといえば、市販されているレンズ交換式カメラとしては最高クラスのスペックと言っても差し支えないでしょう。そういったカメラを手にしたときには、世界遺産や絶景と呼ばれるような風景、または絶妙にコントロールされたライトのもとでの着飾った女性、そういったものを撮るべきなんだろうなと思ってしまいます。実際のところ、いわゆるハイエンド機種と呼ばれるカメラのカタログなどを開くとまさにこういった写真を見ることができます。
逆に考えてみましょう。
ハイエンドカメラ・たとえばGFXのような中判のカメラを持ったら、レンズは一般の人、自宅にある小物、曇った日のはっきりししない風景、そんなものにはレンズを向けるべきではないのでしょうか? もちろん、そんなきまりはありません。
たしかに、一般の人々の中にでっかいレンズを向けられたときにビックリする方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それと写真におさめるべき意味や価値があるかどうかは別の話です。多くのストリート・フォトグラファーたちは、そういった何でも無い日常・無名の人々のしぐさに潜むものに美しさを見出してきたのですから。
そこで考えられたのが、GFX 50Rという中判デジタルカメラを使って、日常的な、でも貴重な(=PRECIOUS)瞬間をとらえるという企画なのです。