ポートレートは、写真撮影の代表的なジャンルのひとつであることに異議を唱える人はいないでしょう。カメラを持っている方ならば、誰でも一度は知人や家族にレンズを向けたことがあるに違いありません。それだけ身近な題材でありますし、普遍性のあるテーマなのです。
しかし、人を写したものが、即“ポートレート”になるかというとそうではないようです。辞書をひいてみると、ポートレートとは“肖像、人物を写した肖像画または写真。特にその写真のメインとなる物体が人物であるもの。風景を描写したものも含まれる”とあります。
なるほど尤もという定義ですが、ここで重要なのは“人”ではなく”人物”と記述してあるところにあるように思えます。つまり生物としての”ヒト”というよりも、人格や人柄、性格をふくめた“人物”を写すことが”ポートレート”の本質にあると説明しているようです。