“June Bride” 6月の花嫁は幸せになれる。
もともとはヨーロッパの言い伝えですが、日本でも随分一般的になりました。
さて彼の地では、新しい婚礼写真がトレンドになっているようです。
それはフォト・ジャーナリズムの文脈に立ち、被写体である新郎や新婦、親族や参列者達のありのままの姿を残すというものです。ここではフォトグラファーは自らを主張することは無く、むしろ参列者の一人としてその場に溶け込むことに努めます。名前は知らないけれど、おそらく”親戚の誰かだろう?”と思われながら、近親者でなければ得難い距離感を保ちながら、プロフェッショナルの目で結婚式という特別な一日を観察しつづけるのです。
Kevin Mullins氏は、そんな撮影スタイルの婚礼写真を得意とするフォトグラファーの一人です。イギリス国内に限らず、欧米各国からインドに至るまで世界各地より指名を受けて撮影を行う人気作家で、ISPWP(国際婚礼写真賞)の大賞など輝かしい受賞歴を持つ、まさに第一人者と呼ぶべき存在です。
Kevin氏は、被写体にポーズを要求することはありません。不用意に驚かせてしまうようなフラッシュ撮影をすることもありません。できるだけ、できるだけ控えめに、そして自然であるように振る舞い、一枚また一枚と、その日だけの瞬間を捉えていくのです。