2012年、Xマウントシステムの初号機“X-Pro1”が発表されました。
既存のあらゆるフォーマットの呪縛を離れ、フル新規で設計できるというアドバンテージを最大限に活かしたXマウントは、発表直後より数多くの評価を頂きました。
しかし、初号機ゆえの未成熟さや、システムの不整備もあったのも事実でした。
Photographer達より「あまりにも勝手が悪い。何度投げ捨てようかと思ったことか?」
という非難も頂戴しました。でも同時にこんな温かい言葉も添えられていたものでした。
「なのに、何とも抗しがたい魅力があるんだ。それが何度も自分を思いとどまらせる」
それが、この新しいシステムの完成度を高め、報いたいという動機になりました。
X-Pro1は、発売以来何度となくファームウェアアップデートを行い、最終的にはVer3.50を公開しています。そして、X-Pro1を経て得られたフィードバックをもとに開発されたX-Eシリーズや、X-Tシリーズなどの評価もあり、いまや“投げ棄てようかと思った”という声は、
過去のものになっています。
先駆者としてのX-Pro1の役割はほぼ達成されたのですが、それがX-Proシリーズの完了という意味ではありません。
今回の写真展に出展しているZack Arias氏は、「私がX-T1を使っているのは、X-Pro2がまだ出てないからだよ」という言葉をFUJIFILMに提出しています。
そうです、X-T1はX-Pro1の発展形ではありませんし、代替機種でもありません。
X-Proでなければ撮れない被写体があり、シーンがあり、スタイルがあるのです。
もちろんX-Pro2は、この4年間の蓄積・進化の全てが搭載されています。
特徴はそのままに、弱点はなくなりました。
X-Proシリーズの真価を、カメラファンが知るのは今このときかもしれません。