世は大型センサー時代? 大きいことは良いことだ? いえいえ、それだけじゃないのが写真の面白いところです。小さなカメラでしか撮れない世界があります。そして小さなカメラの底力を見損なっているのかもしれません。1996年、富士フイルムはデジタルカメラDS505に初の2/3型センサーを搭載して以来、20年間このフォーマットにこだわりを持ち絶え間なく開発を続けて参りました。当時、140万画素だった解像度は今や1200万画素、しかもローパスレスとなり実効的な解像力は10倍以上にもなりました。ダイナミックレンジ、高感度特性もはるかに向上して、プロフォトグラファーが広告写真の業務で使用することもあるくらいです。画質は必要十分、しかしそれ以上に大きな魅力は、この小さなカメラが持つコンパクトさ・取り回しのよさに他なりません。スナップシュートに最適な被写界深度、ズームレンズ搭載でも両手にすっぽり収まるサイズ、1cmまで寄れる撮影レンジ。コンパクトなのに明るいレンズ。どれも2/3型センサーのアドバンテージを最大限に活かした、他のカメラにない優位性です。今回作品を出展しているTomasz氏は、その利便性をして“Dagger in my pocket(=懐の脇差し)”とまで評価しています。小さなカメラの大きな魅力、国内外の著名写真家6名が見せる秘められた力をお楽しみください。