Megan Lewisが語るXシリーズとX100F

クリエイティブ系であろうとシリアスなドキュメンタリー系であろうと現場に出向いて行う撮影はとても刺激的だ。私のスタイルはとてもシンプル。どんどんと追加されていくカメラの新機能を特段必要としない。だから、説明書を読むこともあまりない。私がカメラに求めることは、頭の中で描くビジョンを具現化してくれること。カメラが私のこの期待に応えてくれるのならば、仕上がる作品の出来は、私の能力次第となる。

Xシリーズと共に歩んだこれまでの旅は、私にとってとても貴重な体験だ。タイミングが全てだと思う。2012年2月、X-Pro1を手にした。その当時は、Xシリーズのことを前向きに見てなかったけど、実際にこのカメラを使ってみると新しい世界が切り開き、新しい情熱が私の中で生まれた。

Xシリーズのアンバサダーとして活動しているので、これまで発表されたほとんどのXシリーズのカメラを使う機会に恵まれている。X100Fは、そのなかでも一番最近手にした機種。小さくて軽いカメラボディには、もう驚きもしなくなったけど、進化した性能に驚かされた。高画素化されたセンサーと大容量になったバッテリー、それに新しいフィルムシミュレーションACROSも追加されたのだ。

X100Fは、特にドキュメンタリー系の仕事でその力を発揮するカメラ。だけど、今回はX100Fと新たに追加されたACROS+Yeフィルターを使ってヌード撮影をするのも面白いと思った。

この撮影で表現したかったのは、人間の体や自然が有する美しいフォルム。創造性を働かせてシンプルに表現したいと思った。

撮影前の緻密な計画は特にない。その場の流れに任せて撮影しようと思ったのだ。今回のモデルは、元プロのアスリートのFleur。ダイナミックな自然環境で撮影することで、彼女のボディラインは更に際立つと考えた。撮影の前夜、小道具を使うともっと面白い作品に仕上がる?と感じたので、風に舞う軽い布素材を購入した。

撮影当日。ロケ地につくと、徐々に風が強まった。この環境で撮影するのは理想的とは言い難い。淡々と準備を進めた。そしてその時、突風が吹きつけ、布が宙を舞った。まるで生き物のように、自由に。

撮影は日中に行われた。太陽が強く日差しを照り付けていて、青空が広がり、影はくっきりと浮かび上がっている。何枚か試し撮りをして、ACROS+Yeフィルターの効果を確認する。青空は深みのある色になっていて、とても良い仕上がりになっていたので興奮を覚えた。

X100F
X100F

ACROSの仕上がりの良さをみて、この撮影がうまく行くと勇気付けられる。今一度、現場周辺を見渡した。岩の表情、影、そして風。この布の表現がこの撮影のポイントだと確信した。

そこで思い立ったのは、裸体をこの布で包み込んでみること。

モデルのFleurに地面に横になるようお願いして、彼女を布で覆ってみた。何枚か撮って、写真を確認する。暑い中、凸凹した地面に横になるのは辛くないか聞いてみた。「不思議な感覚。とても落ち着くの。」と彼女は言った。

そう、撮影はとてもシンプル。たった、これだけの事なのだ。

X100F
X100F
X100F
写真家について

オーストラリアで最高の報道写真賞である"Walkley Award(2005)"を受賞したドキュメンタリー写真家・作家。20年以上のキャリアを持ち、現在は富士フイルムのX Ambassadorとしても活動中。ロイター通信社の専属カメラマンとしてキャリアをスタート。Time誌やワシントンポスト、International Tribuneなどに写真を提供していた。

その後、オーストラリアの新聞社に移籍。インドネシアや東ティモールの暴動など国内外の時事を取材。2002年に新聞社を退社してからは、オーストラリアの先住民・Martu族との共同生活を開始する。彼女が執筆した「Conversion with the Mob」は、8年にも及んだプロジェクト。Martu族との生活を経験をもと執筆されたこの本で、上記「Walkley Award」を2005年に受賞。2006年のNikon Photographer Choice Awardsにも選ばれた。彼女の作品はオーストラリアやヨーロッパ各地で展示されている。

関連製品情報

X100F


ホーム X Stories Megan Lewisが語るXシリーズとX100F
© FUJIFILM Corporation