X-Pro1からX-Pro2へ

By Knut Koivisto

X-Pro1のニュースを耳にした日を今でも覚えている。4年前のことだが、未だ記憶は鮮明だ。X-Pro1は、私がデジタルカメラに望んでいた全てが満たされるカメラであることが期待できた。すぐにでも欲しかったし、誰よりも早く手にしたかった。

Photo by Knut Koivisto: X-Pro1 and XF35mmF1.4 R
X-Pro1 & XF35mmF1.4 R
Photo by Knut Koivisto: X-Pro1 and XF35mmF1.4 R
X-Pro1 & XF35mmF1.4 R

富士フイルムのデジタルカメラとの付き合いは、2011年に発表されたX100から。パーフェクトなデジタルカメラを追い求めてから10年間、あらゆるブランドのモデルを試したが、しっくりとくるカメラとは未だ出会えていなかった。プロが、仕事でつかえる画質と操作性を兼ね備えながらも、コンデジ並みに小さいコンパクトなカメラを探していた。

X-Pro1の発売日がわかった時、ストックホルムのプロカメラディーラー「ProCenter」にすぐコンタクトをとった。「一番最初に入荷するX-Pro1は、私のだ!」と。それからというもの、彼らに毎日のように「いつ届くのか?」って電話していたよ!そのおかげか、おそらくスウェーデンに届いた最初のX-Pro1は、私が手にしたと思う。

Photo by Knut Koivisto: X-Pro1 and XF14mmF2.8 R
X-Pro1 & XF14mmF2.8 R
Photo by Knut Koivisto: X-Pro1 and XF18mmF2 R
X-Pro1 & XF18mmF2 R

不思議なもので、Xシリーズの事を写真家仲間から教えてもらった日から、Xシリーズの虜になっていた。我々は、FUJILOVERSだし、カメラの事を本当に大切にしている。

X-Pro1は、素晴らしいカメラだ。デザインは最高。往年のクラシカルカメラみたいだけど、個性がある。ハイブリッドビューファインダーは、他のカメラにはない機能。そしてなんといっても、X-TransCMOSセンサーから成す高画質な画が私の心を奪った一番の理由だろう。

Photo by Knut Koivisto X-Pro1 and XF35mmF1.4 R
X-Pro1 & XF35mmF1.4 R

もちろん、問題もある。特にフォーカス性能は、多くのユーザから批判の対象となった。遅いし、暗いシーンでピントを合わすのを、苦手とするカメラだ。確かに、オートフォーカスは他のカメラと比べると遅かったかもしれない。だが、ピントが合ったときは、とてもシャープな描写を可能にする。私の場合は、それよりもRAWサポートがなかったことに、最初は苦労した。それと、眼鏡をかけて撮影する私にとって、視度補正レンズが別売オプションであったことも苦労した。

Photo by Knut Koivisto X-Pro1 and XF14mmF2.8 R
X-Pro1 & XF14mmF2.8 R

と言うものの、このカメラは一眼レフみたいに威圧的ではない。写真家である私が、X-Pro1で撮影をすると、撮られる側の人間はリラックスするのだ。ポートレート撮影を、主な仕事とする私みたいな写真家にとって、とても大切なことだ。目立たずに撮影することができる。

Photo by Knut Koivisto: X-Pro1 and XF35mmF1.4 R
X-Pro1 & XF35mmF1.4 R
Photo by Knut Koivisto: X-Pro1 and XF35mmF1.4 R
X-Pro1 & XF35mmF1.4 R

X-Pro1と同時に、18mm、35mm、60mmの3本の単焦点レンズが発表された。この3本であらゆる撮影ができる。富士フイルムが、ズームレンズよりも先に、単焦点レンズを出してきたことに、私は彼らの本気度を感じ取った。決意を持って、これから本格的なカメラシステムを築いていくこと、そして、そのシステムは写真家のためであるということだ。今では、システムも拡張してあらゆるレンズが揃っている。それに、新しいレンズも随時発表されている。

Photo by Knut Koivisto: X-Pro1 and XF18mmF2 R
X-Pro1 & XF18mmF2 R
Photo by Knut Koivisto: X-Pro1 and XF35mmF1.4
X-Pro1 & XF35mmF1.4 R
Photo by Knut Koivisto: X-Pro1 and XF60mmF2.4 R Macro
X-Pro1 & XF60mmF2.4 R Macro

X-Pro1以降も、いくつものカメラが発表された。全て試したし、どれも楽しいカメラだ。同じセンサーを搭載しているので、画質もばっちりだ。発表するごとに、Xシリーズカメラの基準を上げてきた。だが、それと伴ってふと疑問が頭をよぎる。「X-Pro2は、いつ出てくるのだろうか?」

Photo by Knut Koivisto: X-Pro2 and XF35mmF2 R WR
X-Pro2 & XF35mmF2 R WR

遂に、待望のX-Pro2が発表された!後継機種は、特別なものでなければならないと常々思っていた。X-T1がある今では、正常進化だけでは満足できるカメラにならないと思っていたし、正直、どれだけ期待してよいのかわからなかった。だが、私の不安は、すぐに消し飛んだ。カメラのスペックを見ただけで、X-Pro2は特別なカメラだとわかる。273点まで、フォーカスポイントが拡大した24MPのセンサー。高速画像処理や、高速フォーカスを可能にしてくれる新しいプロセッサー。ISOダイヤルが内蔵されたシャッタースピードダイヤルは、個人的にとても良いと思う。ジョイスティックは、あらゆる場面で操作が便利だ。デュアルカードスロットと防塵・防滴仕様も忘れてはならない。他にもまだまだたくさんあるが、重要なのはスペックではない。このカメラで撮影する時どう感じるかだ。

Photo by Knut Koivisto: X-Pro2 and XF16mmF1.4 R WR
X-Pro2 & XF16mmF1.4 R WR
Photo by Knut Koivisto: X-Pro2 and XF23mmF1.4 R
X-Pro2 & XF23mmF1.4 R
Photo by Knut Koivisto: X-Pro2 and XF23mmF1.4 R
X-Pro2 & XF23mmF1.4 R
Photo by Knut Koivisto: X-Pro2 and XF35mmF2 R WR
X-Pro2 & XF35mmF2 R WR

私は、写真家である。プロとして仕事もこなすし、プライベートでもよく撮影をする。常に写真を撮っていると言っても過言ではない。手に取って、気軽に撮影できるカメラを必要とする。スタジオ撮影だろうが、映画撮影現場だろうが、ストリートフォトだろうが、関係なく写真を撮りたい。持ち運びに便利でコンパクト・軽量なカメラ、それでいて見た目も良くなければ使う気になれない。以前だったらそんなカメラは存在しなかった。だが、X-Pro2は、私の要望をすべてかなえてくれる頼りになるカメラだ。これには、驚きを隠せない。私が、夢中になったX-Pro1のデザインと品質を保ちつつ、レーシングカーのような性能を手にしたのだ。次世代のXシリーズであり、新しいフラッグシップモデルだ。

Photo by Knut Koivisto ; X-Pro2
X-Pro2

多くの写真家にとって、X-Pro2(それと他のXシリーズのカメラ)での撮影を好む理由は、その簡単な操作性にあると思う。ロジカルで考え抜かれたレイアウトに秘密がある。各々欲しいところに操作できるパーツがあり、いちいちメニュー画面を開く必要がない。カメラの基本は、常に見える状態にある。たとえ電源がオフになっていても。その操作性や形が故に、レトロ風なデザインのカメラと言う人達もいる。だが、それには理由がある。それが、一番ロジカルで恒久的なデザインであるから、と私は考える。

X-Pro2での撮影は、楽しく、常日頃一緒に時を過ごしている。必要なパーツは揃っている。Xシステムは、成熟されたシステムへと成長を遂げた。私にとって、X-Pro2は、私の脳と目の延長上に存在する。カメラの事を考えずに、直感的に反応すればよいだけだ。写真家として、それが一番だ。これからの写真の冒険の友になる。X-Pro2と私は、これから数々の美しいことに出会うことであろう。

Photo by Knut Koivisto: X-Pro2 and XF35mmF2 R WR
X-Pro2 & XF35mmF2 R WR

 Knut Koivisto, Stockholm, 2016

写真家について

Knut Koivisto

Knut Koivistoはスウェーデンで最も著名なポートレート写真家の一人であり、エンターテイメントとビジネスの世界を自由に行き来している。人物に焦点を当て、シンプルで洗練された作品を生み出している。ヒューマニスト的な世界観を持ち、個々の特性を大切にしている。彼は様々な場所で講義も行っている。彼は自身のプロジェクトに取り組むと同時に新しいソーシャルメディアのリーダー的立場も担っている。

"最も大切なことは、被写体となる人物の肩書きや立場に関係なく、また、雑念に気をとられる事なく被写体と正面から向き合うことである。CEOだろうが、Mikael Persbrandtのような映画スターだろうが、看護師だろうが関係ない。彼らは皆尊敬できるし、皆同じ人間として扱われるべきである。この姿勢を身につけるには少し時間が掛かるが、身につけたい重要な要素である。"

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