Film Simulationの世界#1

フィルムシミュレーションチャート

デジタルカメラで撮影するならば、とりあえずRAWという人は多いかもしれない。
RAWの持つフレキシビリティは確かに写真撮影をするにおいて、大きな魅力である。しかし、あなたがFUJIFILMのカメラを使うならば、その常識はちょっと横においといてもいいかもしれない。
もしかすると、あなたが使っているカメラの実力の半分を捨てている可能性もある。

まずFUJIFILMのカメラにおいて色再現、特にFilm Simulationというのは、色再現の”傾向”ではない、色再現の”世界”と言ったほうが正しい。単なるVividな”傾向”の色ではない、単なる”Soft”な傾向の色ではないのだ。”Velvia”という色再現の世界、”ASTIA”という色再現の世界なのだ。

写真を撮るにあたり、ある人はまず初めに”被写体”を見る。それは”紅葉”であったり、”人物”であったりする。
そして、その人は”Vivid”モードなり、”Soft”モードなりに設定するだろう。撮ったあとに、”紅葉がVividに写ってよかった”、”人物の肌がSoftに写ってよかった”、となるかもしれない。
もしかすると、”全然よくなかったが、RAWで撮ったので後から修正するか”となるかもしれない。

しかし、FUJIFILMのカメラを使う人は、そうではない撮り方もしてもいい。
その”紅葉”や”人物”が、”Velvia”を使ったらどう写るだろう?”ASTIA”を選んでみたらどう写るのだろう?
それがFUJIFILMの色再現の考え方であり、撮影の思想である。撮影している時間を大事にしていると捉えてもらってもいい。

しかも、FUJIFILMのカメラはスルー画を常に確認できるミラーレス構造をとっている。
写す前から、シャッターを切る前から”Velviaの世界”、”ASTIAの世界”で見ることが出来る。自分が見ているそのシーンを、”Photography”という完成形をにしたときにどうなるのか?それをリアルタイムで確認できるかどうかは重要だ。

そして、Film Simulationは”世界を持っている”、と言える理由は”シーンに対するRobustness”に、とことん拘っているからだ。

”Velviaの世界”は確かにVividな傾向がある、”ASTIAの世界”は確かにSoftな階調を持っている。
しかし、同時にSoftな部分もある、特定の色域でHardになっていたりもする。

非常に絶妙なバランスを持った上で、そのFilm Simulationの”世界”を構成するようにしている。

その理由は、どんなシーンを撮ったとしても、”たしかにVelvia、たしかにASTIAの色であるが、写っているものにはどこにも不自然なところがない”というのが、あるべき姿という思想があるからだ。

そのためにFUJIFILMの画質設計者は、ひたすら実写を重視する。Velviaで撮るべきシーンではないシーンでも使って実写する。普通はありえない、カスタム調整をした上で実写をする。そして、そのテストサンプルをプリントにして評価する。

しかもその画質評価者は、画質設計者は別人であることが必須となっている。担当を分けて客観的な眼を確保しつつつ作り上げていくのだ。

それが、個性的でありながら、どこも破綻することのない色の”世界”を作るプロセスである。

次回より、その”世界”をひとつづつ解説していきたい。

協力: 富士フイルム 光学・電子映像商品開発センター

エピソード2を続けて読む:
 エピソード2 CLASSIC CHROME


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