画質に対する厳しい要求は、高感度領域でも変わらない

ノイズ発生要因を徹底的に排除して、実現したISO51200

室内のシーンなどを高感度で撮影する場合、感度を上げても常用ISO6400までのシーンが多いことでしょう。しかしX-T1はプロユースも想定していますから、表現領域は広いほうが絶対にいい。そこでISO51200という当社のデジタルカメラでこれまでにない高感度の実現に挑戦しました。例えば、舞台の撮影。例えば、望遠レンズで暗い体育館でのスポーツシーンを押さえたいとき。高感度性能が高ければシャッタースピードを速くでき、手ブレや被写体ブレを減らすことができます。
もちろん、画質が悪くては意味がありません。感度が上がれば画質は下がるものですが、私たちはISO25600と同等程度の画質を目指して開発をスタートさせました。画質を良くするためには何よりノイズを下げなければなりませんが、もともと富士フイルムの画質に対する要求は伝統的に厳しく、基板設計やノイズリダクション、その他ノイズを下げるための各種アルゴリズムが効いていたので、そもそも画質は高いレベルにありました。

①光をデジタル信号に変換する段階からノイズを低減

デジタル信号になってからノイズを抑えるのは信号処理ですが、その前段階でもノイズを抑えたい。イメージセンサーにノイズが入ると画像に横筋状のノイズが入ってしまいます。この横筋は特にコントラストの低い像では目立ってきてしまう。そこで、光というアナログ信号をデジタル変換するときにノイズを抑える部品を最適化して配置しています。

②ノイズを抑えるための基板設計

また、配線によってもノイズが発生することがあります。配線同士の距離線が近いとそれが電磁的に影響して、ノイズとなって横筋が見えることがあります。小型化との両立が求められるため簡単ではありませんが、部品や配置など無数のシミュレーションで試行錯誤しながら、ノイズレスに貢献する基板を新たに開発しました。

③温度への配慮

また、温度も非常に大切で、イメージセンサーの温度が高くなると物理的にノイズも増えてきます。配置、構造と温度の関係をシミュレーションで検討を重ね、センサーの温度が上がらないよう放熱設計に注力しました。

それから、高感度での画質を左右するのが黒レベル。黒が締まらないと色再現や階調がすべてずれてきます。コンピュータ上で、高温の状態や露光時間を長くした場合に色再現・階調がどのようにずれていくか確認し、しっかりした黒を再現できるよう最適化しています。

ISO51200での撮影を活用いただければ、これからもっともっと、いろいろなシーンをラクに撮影できるようになると思います。
例えば夜間、車や電車・飛行機などの乗り物に乗ったままで窓から見える夜景を撮る時や、お誕生日のケーキを前にローソクを消すお子さん、光の少ない森の中での動物などを撮る時です。
つまり、動きのある被写体や遠くにある被写体を、フラッシュや三脚を使わずにできるだけ速いシャッタースピードで撮りたい時、この美しい高感度性能が皆さんのお役に立てることを願っています。
今まで撮れなかった、撮ることを諦めていた写真に、ぜひチャレンジしてみてください。

撮像設計担当:
富士フイルム R&D統括本部
光学・電子映像商品開発センター
宮下 丈司

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FUJIFILM X-T1


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