Xフォトグラファー・Stefan Finger「お気に入りのX」

カメラ愛好家だったからフォトジャーナリストになろうと思ったのではない。私のやりたいことは、ストーリーを伝えること。人々にとって大切な出来事の核心に迫りたい。私にとってカメラは、私が体験する出来事を記録してくれる道具。フォトジャーナリストとして必要とするカメラは、直感的で簡単な操作性を持ち、あらゆるシチュエーションでシャッターチャンスを逃さない頼りになる相棒。それに、一連の作業が楽しくなければならない。一日中カメラを持ち歩くので、重さが苦にならず、最新技術に悩まされず、静寂なシャッター音で現場の邪魔をしないカメラ。だから、私のお気に入りのカメラはFUJIFILM X-Pro2だ。

写真を楽しめなくなった写真家が撮る写真はつまらないも。腰痛を嘆いたり、シャッターチャンスを逃したのをカメラのせいにしたり、過剰に焦点距離を調整したりするような輩はいつかきっと写真を楽しめなくなる。原点を見失ってしまっているから結果的に良い写真が撮れなくなってしまう。

構図やシャッターを切るタイミングは写真家が決める。だけど、使うカメラによって得れるものは異なる。X-Pro2の負荷のかからない操作性、焦点距離を変えるのもとても簡単。雨が降っている中でも気にせずシャッターを切れるし、美しいレトロデザイン(ある意味プロっぽくない)のおかげで、他のカメラでは近寄りがたい被写体にも一歩前へと進むことが出来る。こういったカメラ要素も少なからず私の作品の出来に貢献してくれている。正直に言うと、Xシリーズのことを使い始めた当初はそこまで信頼を置いていなかった。こんなにコンパクトで軽量なカメラが、一眼レフと同等の写真が撮れるはずないと思っていなかったからだ。だから、その当時は2台体制で現場に向かっていた。ミラーレスカメラであるXシリーズに不安を抱いてたから。だけど、僕は自分の誤りにすぐ気付いた。一眼レフは車に置きっぱなしで、出番がない。最後は一眼レフを家に置いて、Xシリーズだけを持ち歩くようになった。なぜなら、Xシリーズで撮れた写真のほうが出来がいいのだから。

The “Jungle” of Calais: X-Pro2 & XF23mmF1.4 R | 1/75 sec | F2.8 | ISO 6400

例として、フォトジャーナリストとして新聞や雑誌向けに撮った私の写真の一部を見てみよう。フォトジャーナリストは「現実」を写真に写し出そうとする。ポーズや演出は不要。ありのままを写真に捉えるには、カメラは静寂でコンパクトでなければならない。相手の注意を惹いてはならないからだ。単焦点レンズを使うのも、ズームレンズよりもサイズがコンパクトだから。それに絞り開放値から良い描写をするから、表現力も増す。

The "Jungle" of Calais: X-Pro2 & XF16-55mmF2.8 R LM WR | 1/640 sec | F2.8 | ISO 200
The "Jungle" of Calais: X-Pro2 & XF16-55mmF2.8 R LM WR | 1/1250 sec | F3.6 | ISO 200

X-Pro2の性能についても信用している。だから、自分で操作するのは絞りだけ。ISO感度やシャッタースピードはカメラ任せだ。私の場合、3つのプリセットを用意しているので、必要に応じてこの3つの設定を使い分けている。そうすることで、私が写真の構図や被写体だけに集中することが出来る。私がマニュアル操作しているのは絞り値だけだ。

俳優 Joachim Królのポートレート: X-Pro2 & XF35mmF1.4 R | 1/100 sec | F1.4 | ISO 640
Reckhaus社の社長 Dr. Hans-Dietrich Reckhausのポートレート: X-Pro2, XF56mmF1.2 R | 1/220 sec | F2.0 | ISO 200
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TV番組“Höhle des Löwen” のジャッジ Frank Thelenのポートレート: X-Pro2, XF16-55mmF2.8 R LM WR | 1/340 sec | F2.8 | ISO 200

電子ビューファインダーは各設定値が反映されたものを映し出す。おかげで、露出がアンダーやオーバーになることも皆無となった。フレームレートもとても高速なので表示ラグはない。光学ファインダーに切り替える必要もなくなった。光学ファインダーを使うときはフラッシュを焚くときや被写体が私に向かって接近している時くらい。写真構図内に入るタイミングを計ることが出来るからそういった撮影の時は重宝する。

結婚式にて撮影: X-Pro2 & XF23mmF1.4 R | 1/2400 sec | F1.8 | ISO 200

結婚式もX-Pro2で撮る。このようなイベントでは、2つのSDカードスロットが絶対に欠かせない!カードに何かしらの不具合があってもバックアップで保存できる体制を整えておきたい。さらに、アプリを使うことで、X-Pro2からスマホへ画像をその場で転送することもできる。現場で、新郎新婦へ写真をプレゼントできるので彼らにもとても喜んでもらえる。

結婚式にて撮影: X-Pro2 & XF23mmF1.4 R | 1/420 sec | F2.8 | ISO 200
結婚式にて撮影: X-Pro2 & XF16-55mmF2.8 R LM WR | 1/1700 sec | F3.2 | ISO 200

ほとんどの新郎新婦は写真慣れしていないから、リラックス出来ないとぎこちない写真になってしまう。カメラの後ろにいる人、つまり私が見えると見えないでは彼らの表情も大きく変わる。X-Pro2はコンパクトなので、彼らとのコミュニケーションも容易。その結果、場は和み、リラックスした表情を見せてくれる。たまに「あなたはプロの写真家?」と問われることもある。もっと大きなカメラを持った人がプロと先入観があるからだ。だけど、彼らが気にしているのは写真の出来栄え。撮れた写真さえ良いものであればどんな機材を使っていようと気にしていない。私が、彼らの晴れ舞台で採用されたのも写真を気に入ってもらえたから、高価なカメラ機材を持っているからではない。

結婚式にて撮影: X-Pro2 & XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR | 1/1800 sec | F3.2 | ISO 200
写真家について
Stefan Finger

1983年生まれ。デュッセルドルフとハノーバーを拠点に活動する写真家。
政治学と社会学で学士号を取得後、Political Communicationで修士号を取得。卒論は、写真の影響についてだった。学生時代、フリーランスの写真家兼ライターとして新聞社や通信社と仕事をした。2011年に、フォトジャーナリズムとドキュメンタリー写真について学ぶ。その期間、Frankfurter Allgemeine Zeitungでインターンを務める。

現在は、社会問題を取り上げた長期プロジェクトを掲げ、世界中を駆け巡っている。フィリピンのゴミ捨て場に住む人々に焦点をあてた記事では、CNNの"Journalist of the Year"や、"Mediaprice of the Kindernothilife"にノミネートされた。

2014年に、Insa Hagemannと共同で敢行したプロジェクト"Wanna Have Love? -Consequences of Sex Tourism"では、権威あるUNICEF Photo of the Year Awardを獲得。Schömbeger Fotoherbstは、Alfred Fried Awardに選出された。フォトエージェンシー laifに所属している。

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